市長明言 駅南口構想見直しでは、市民代表や専門家意見を一切聞かない

 今日も市議会の本会議をネット中継で傍聴しました。病院と駅前については、橋俊明議員と工藤義明議員が質問。

 簡単に紹介します。

 橋議員の質問の市長答弁で明らかになったことは、「野洲駅南口周辺整備構想」の見直しはまだ完了してはいないが、完了するに当たっては、市民代表や専門家による会議を設けて意見を聞くことは一切しない。「現構想の中身は尊重するが、今回は配置の見直しであり、意見聴取は考えていない。」というのが市長の答弁。橋議員は、配置の見直しであっても、意見を聞くべきであるとの趣旨で食い下がっていましたが、市長は明確に否定した。

 先の特別委員会で出された案は、確かに施設の配置の見直しが含まれている。しかし、それによって、病院の位置どころか規模や使い勝手も大きく変わる。また、商業機能も格段に大きくなるし業態が明確にされていない。駐車場の配置と規模によっては、動線変更とそれに伴う渋滞発生や事故も検討しなければいけない。これでは、配置の変更にとどまらず、中身の変更に及ぶ。「尊重する」とか「重く受け止める」と言いつつ、選挙時の瞬間的な民意だけを根拠に押し通していく手法。

 橋議員はじめ議員には、これほど議会や市民を無視したやり方に対して、補正予算案の審議と採決において、明確な対応が期待されます。

優良な市有地を買い手市場のかたちで売りに出すようなもの

 後、市長等の答弁で気になったことをメモ風に列記しておきます。これらは、議員が構想見直しの入り口論でとどめないで、複合商業施設なるものの内容にまで質問を及ぼしたために引き出された答えです。

 図書館分室機能は北部合同庁舎の分館規模は難しく、小規模なもの。これも民間提案により決める。何もかも、未定で、民間頼みですが、なぜか、橋議員はこれには賛同していました。

 駐車場はAブロック敷地内で確保するが、民間が整備するので、複合施設に入る民間がそれぞれ整備。これでは、雑居ビルのようなものになりそう。

 市有地の位置づけについては、民間からの買い取り提案があれば、それも検討。そして、その売却で得られる財源で起債の償還も見込むことも検討していることをうかがわせる答弁。これでは、わざわざ市民の税金を使って民間に計画を作ってもらう。その計画をもとにして、優良な市有地を買い手市場のかたちで売りに出すようなもの。

 質問によって結果的に市長の思いのいい加減さと民間任せの市有地開発が明らかになった。ただ、見方によっては、質問によって、市長の暴挙を引き出す助けになった一面もあり、改めて、予算案の審議と採決で明確な対応が必要であることを痛感させられました。

現地半額は公約! ルアー(疑似餌)の「対案」は釣果の後では邪魔になるので、否定して隠すつもり?

 次は工藤議員の質問と市長答弁。

 改めて、今更ですが、原点に戻って、病院の現地半額建替えは市長公約の一丁目一番地かと質問。これに対する答えは、毎度の総額120億円の病院計画云々からはじまって、結局の答えは、公約の一丁目一番地は駅前反対である。そして、現地半額建替えは、それだけでは説得性がないため出した「たいあん」。音で聞いた、「たいあん」は文字にするとAブロック病院に対抗する案という意味での「対案」だと思われる。とするなら、選挙で訴えた、れっきとした案であり公約。公約と「対案」の違い、騙しのような言葉遊びが野洲市議会では通用しているようです。

 いずれにしても、このやり取りを聞いていて、栢木市長の根っこの公約は、病院をつくらないこと。しかし、それを表に掲げては、当選は無理だった。そこで、ルアー(疑似餌)のごとく食べられない「釣りえさ」のように実現性のない「対案」を、選挙公報にまで掲げた。釣りの成果を上げた後は、ルアー(疑似餌)は邪魔になるので、公約の一丁目一番地であることを否定して、隠す。

 昨年来、市議会はじめ、市長への手紙への回答など様々なところで、この論をもって、市長の立場で堂々と説明されると市民は錯覚を起こす。市長は、「公約違反でない」と明言していたが、それでは、「対案」であることと矛盾する。そのことに本人も気づいていない模様。裸の王様と同じです。 

 今日改めて工藤議員と市長とのやり取りを注意深く聞いていて、この論が通用している市のこれからが心配になりました。

現市立病院の耐震強度の質問で病院事業管理者・市長の本気度の地肌が見えた 答弁回避にも制御を

 工藤議員の質問に対する市長答弁でいくつか気になったこと。

 市民との話合いの実績を問われて、記憶にないと答えたことです。議員が抗議したとおり、質問通告からも質問の意図は読み取れたはず。仮に準備がなくとも、4月10日の市民団体の集会やその後の生活クラブの集まりでの懇談などが即座にあげられたはず。

 また、議員が駅前複合商業施設にマンションが含まれていることに関して質問した。すると、市長が、複合商業施設にマンションが含まれると発言したことはないと議員に対して抗議。しかし、結局、市長が引き下がった。

 後、現市立病院の耐震強度について問われて、手元に資料がないからと答えなかった。これは、平成28年2月の「野洲病院支援継続可能性調査業務報告書」はじめいろんな市の資料に記載されている。平成28年2月といえば、市長は現職の市議であり、監査委員でもあった。いずれにしても、病院事業管理者として頭に入っていなければおかしい。東館のIS値は最低のところで0.388。0.3≦Is値<0.6は、震度6強の地震に対して倒壊、または崩壊する可能性があるされており、著しく耐震性能が不足しているため、建物の安全を確保し継続して使用する場合は、IS値0.75以上の耐震性能を確保することが必要。保育園から小中学校まで、この前提で耐震補強や新築を進めてきた。図らずも、市長の本気度の地肌が垣間見えた瞬間でした。

 その他、議員からは、今朝の新聞折込みの市広報紙に絡んでの厳しい質問がありました。市長等の答弁は要領を得ない、身勝手なもの。ただし、これについては、質問より前にすでに書き終えて、公開したので紹介を省きます。

 なお、直接質問内容とは関係ないことですが、議員の発言が不適正であるとして議長が制止する場面があった。議員は、納得できないながら、質問を続けるために、不承不承受け入れた。正常で健全な議事運営のために必要なことではあり、その判断には介入しません。ただし、市民から見れば、それなら、市長等の答弁漏れや故意とみられる答弁回避にも議長の厳しい制御を期待したいと思います。