全員協議会で業者選定報告 議員から厳しい批判や指摘続出

 駅前Bブロック病院の基本計画等を策定する業者の選定が今朝の新聞で報道されています。新聞によっては、昨日出された栢木市長が駅前病院の実施設計等の契約を就任直後解約したことを巡り起こされた住民訴訟と対の記事になって。

 プロポーザルによる病院の計画等策定業者の選定については、昨日の市議会の全員協議会で報告されたものが記事になったものです。会議を傍聴した市民によると、多くの議員から厳しい批判や指摘があったようです。経費削減優先、動線無視の計画、免震構造を耐震構造に変更、厨房の縮小、無理な駐車場計画など先の市議会特別委員会での議員の意見からこのことは十分予想されたことです。

市長コメント「1企業体でも参加があり、感謝している」の異常さと寂しさ 売り手市場で選ぶ立場でない市

 プロポーザルには1社の参加しかなく、競争が全く働いていない。また、評価も200点満点中の127点で、基準点の120点を7点しか上回っていないという低い水準。JR駅前の新しい公立病院の計画づくりという、普通に考えれば魅力ある仕事に1社しか参加がないといことは異常。

 この異常さは、「参加が1企業体にとどまったことに、栢木進市長は会見で『1企業体でも参加があり、感謝している』と述べた。」(中日新聞8月19日)という報道にも表れています。

 発注事業によほど魅力がないか、その仕様によほどの無理があるか、さもなければ事前調整が働いているかのいずれかです。

 市長が常に主張している「民間の知恵と力」とは、「1企業体でも参加があり、感謝している」という、寂しく活力のないものか?これでは、プレゼンテーションを傍聴した市民から聞いて、その印象を次のように書いた。「お金のない貧しい市が無理して病院をつくらないといけないと困って泣きついてきた。そこで、節約予算でつくる方法を教えてあげます。」まさに、このとおりの発注者である市と受注者の力関係を表しています。売り手市場で選ぶ立場にない。

業者の実績表記が珍しく抽象的

 異常さはこれにとどまりません。全員協議会で配られた資料に多くの黒塗りがあったこと。公文書公開で氏名や住所生年月日などの個人情報が黒塗りされることはあっても、議会の会議資料での黒塗りは極めて異常。

 そこで、昨日市のホームページに公表されていた共同企業体の2つの構成企業のそれぞれのホームページを確認しました。

 医療系のコンサルタント会社に関しては、実績リストがありますが、見た限りではすべてが、「関東」、「自治体」、「370(床)」、「2020年」という抽象的な表記。業務名の記載が一切ない。民間企業の施設や事業の場合、情報を一部秘匿する場合がありますが、公共団体の場合は自治体名と業務名は明記するのが普通。これでは、実績確認ができない。

次の段階、さらには最終まで関わる業者? それなら当初からCM方式が透明性高い

 もうひとつの企業は、いわゆるコンストラクションマネジメント企業。会社のホームページにあるように、「建設プロジェクトの発注者(事業主)の側に立ち、発注方式の検討、設計や施工者の選定、スケジュール管理、品質管理、コスト管理などの各種マネジメント業務の全部または一部を行う」企業。

 市のプロポーザル実施要領に「なお、本業務に引き続き令和4年度には業者選定支援業務(要求水準書の策定支援、選定要綱書・業務仕様書の作成支援等)を発注する予定であり、本業務の取組状況に問題がない場合は本業務受託者と随意契約を締結することがある。ただし、業者選定支援業務の予算が議決された場合に限る。」と記載されていた。このように、次の段階の業務、さらには最終まで関わることが想定されている事業者です。

 もし、当初からこの分野の事業者の参加を想定していたのであれば、先に発注方式をきちっと評価検討して、「コンストラクションマネジメント(CM)方式」を公に選定したうえで業者選定を実施した方が適正。デザインビルド(DV)方式までは匂わせつつ、その他は、通常発注を装いながら、結果としてか、内々意図してかは別として、コンストラクションマネジメント企業を選んだ。

このやり方では、よほど効果的にこの機能を使わないと、その分だけ上乗せになって、事業費がかさむ恐れがある。

市民も専門家も蚊帳の外で、「感謝している」民間業者に全部任せ 不安な船出を象徴

 1社しか参加がなかったこととあわせて、不透明な発注手続きです。先日の特別委員会の答弁で、来年1月か2月に計画が固まった時点で評価委員会に諮るという答え。そこに表れているように、市民も専門家も蚊帳の外にして、密室で、「参加があり、感謝している」民間業者に全部任せて半年間作業。そして。その結果の追認を市民と議会に求めようというもの。Bブロック病院の不安な船出を象徴しています。