疑問解けた! Aブロックの病院計画にないものをあるように見せかけて削減を偽装 

昨日病院計画プロポーザルのプレゼンテーションについて書き終わった後、以前から引っかかっていた小さな疑問が解けました。

 それは、市議会での病院担当部長の答弁。駅前病院計画にあった「ヘルスケアパーク」などを削減し、簡素化と経費削減を図るという趣旨の説明が繰り返されました。しかし、「ヘルスケアパーク」は駅前Aブロックの「現病院」計画にはなくなっているはず。それなのに、なぜ、まだこのようなことを言うのか理解できなかった。

 このことについては、去る5月28日、その日の市議会の病院の特別委員会に触れたブログのなかで次のように書きました。引用します。

 「工藤義明議員が前の計画の華美な設備削減についての質問。現福山委員長も含め市立病院病院関係者が入って十分議論した設計にまだ華美な設備とは何かというもの。担当職員の答えは、即座に、ガラス張りとヘルスケアパーク、これを省くというもの。しかし、これらは、栢木市長が中途解約した設計ですでに省かれているはず。」 

 ところが、昨日の業者プレゼンテーションでの目玉提案。入院ベッド1床当たりの床面積を70~75㎡にすれば14~20億円縮減できるという提案。

 昨日書いたように、すでに75㎡を下回っていたはずです。もちろん、2階までの吹き抜けガラス張りもありません。

 市のホームページから、2020(令和2)年1月15日の市民病院整備の特別委員会の公式資料を添付します。資料の⑨の面積については以前の16,322 ㎡は記載されていませんが、これから少なくとも3,000 ㎡減らして実施設計をここなうことに決定していた。したがって、現病院の延べ床面積約は13,300 ㎡。これを179床で割れば、74.3㎡/床となります。栢木市長が選挙戦で反対し、就任直後に止めた計画は、この計画です。

 このようにみてくると、ある時期から意図的に、もとの計画を過大に見せるために、無効となった古い計画を持ち出してきて比較対象としてきたようです。

86.9㎡はどこから? プレゼンテーション間違っていたとしても、結果的に典型的な、垂れ流し報道

 このことは、今朝の新聞記事で改めて確認できました。「業者は、1床当たりの面積を前計画の86.9平方メートルから70~75平方メートルに縮小すると、14億~20億円が削減できると試算。」(毎日新聞2021年8月13日)とある。ただし、報道されている86.9㎡がどこから出て来たかは不明。前計画では、199床で16,322 ㎡だから、82.0㎡/床にしかならない。

 この報道を読んだ市民は、前計画が途方もない計画であったと誤解する。プレゼンテーションが間違っていたとしても、結果的に典型的な、垂れ流し報道。

副市長が市幹部に発した理不尽で危機的メッセージ

 話は変わりますが、昨日知人が、最近の市の部長会議記録を読んでみるようにと言ってくれました。肝心の情報量は少なくなっているが、最後に、副市長の長くて異様なコメントがあるとのことでした。これを書く前に目を通しました。確かに知人の指摘のとおり。市のホームページに掲載されていますし、わざわざ引用するようなものでもないかもしれませんが、8月2日(月)の会議記録から気になるところだけ引いておきます。

 「『非認知能力』について改めてお話したい。」という切り出しから始まって文字数で937字もある長いもの。「 最後に、ここにいる部長、政策監は市長の代理だと思っている。市長、副市長は各部から話を聞くが、一つの課題に割ける時間は少ない。一度聞いただけでは理解できていないこともあるので、1回資料で説明するだけではなく、何度も話を聞かせてほしい。また、それぞれの立場で自分の部だけのことを考えるだけではなく、一つか二つ上の立場に立って物事を考えてほしい。一人ひとりが市長の視点を持って、市長としてどう考えるべきなのかという視点を持ってほしい。」で終わっています。

 見方によれば身勝手で理不尽ではありますが、組織運営上は、まさに危機的メッセージです。

副市長の訓示効果? 結果として、市組織全体で偽装工作を行っていることになる

 話題を途中で転換した理由は、昨日のプレゼンテーションの審査委員であった5人の部長級職員の発言。5人とは、政策調整部政策監(病院整備担当)、政策調整部付政策監(病院運営担当)、政策調整部長、健康福祉部長、総務部長。病院問題だけでなく、いわゆる人事、財政、福祉を担当する市の最高幹部たちです。

 傍聴者の話では、審査員たちがお利口な生徒のように、みんな順番に手をあげて質問していたが、いずれも本質的な鋭いものではなかった。

 審査員にはあらかじめ資料が渡されていたとのことであったので、普通に考えればもっと違った質問もできたはず。憶測になりますが、審査員が途切れずに質問を重ねるさまを演出することによって、傍聴している市民には厳正な審査を行ったように見せようとしたのではないか?ところが、話を聞いた市民のいずれにもそれは通用しなかった。

 厳しく審査するなら、上記の病床1床当たりの面積などは、絶対確認すべき内容だと思います。数値をはじめこれらのことは9カ月前までは市役所内で共有化されていた事実。それを指摘なり、確認なりをしないで見過ごすことは、現計画が過大であることの見せかけに結果として加担していることになる。

 この状況では、以前心配して書いたように、専門家でもない市の部長級職員に負担を押し付け、結果として、市組織全体で偽装工作を行っていることになる。

 本来、究極の随意契約方式である公募型プロポーザル方式を採用する場合は、厳格な運用が必要。ましてや、病院事業設置の条例が生きているなかで、職員を委縮させ、結果として偽りの情報をもとにした出来レースに加担させることは、あってはならないことだと思います。

 ここに、ちょうど10日前の「市長としてどう考えるべきなのかという視点を持ってほしい。」という副市長の部長への訓示が効いてきているのでないことを願っています。怒りというより、悲しさがこみ上げてきます。

 このような状況に閉じこもっていては、市民のための健全なまちづくりが進まない。もっと伸びやかに、正義感を持って、市民のためのまちづくりが進むことを市民は期待しています。