住民訴訟の取り下げの結末は? 市長は同意した?  

 今日、知人から病院整備を巡る市に対する住民訴訟の取り下げの結末はどうなったかと聞かれて、気になっていながら、しばらく忘れていたことを思い出しました。

 このことについては、新聞報道があった7月22日にブログに書きました。それからでも2週間たつ。報道では、原告は16日付けで大津地裁に訴訟取り下げ書を提出したと市が発表したとなっていたので、半月以上たっている。

 取り下げが成立するためには、市長が原告の取り下げ請求に同意する必要があります。これに関しては、先にも書いたとおり、このことについて市から報告のあった7月21日の市議会全員協議会全協では市議から質問や異議も呈された。そして、同意をしないよう議員が連名で市長に対して要請書を出したようです。

 その後同意したという情報も報道もない。ただし、訴えの取下げの書面の送達を受けた日から2週間以内に異議を述べないときは、訴えの取下げに同意したものと見做されることになっている。そのため、市長が同意していなくても、取下げが確定してしまっていることになる。

市長の記者会見記録は驚き以上の衝撃 対話を頭から拒絶の姿勢

 7月22日の新聞記事のどこかに、同意するに伴って弁護士費用が必要となるといった記述があった。その場合は、補正予算の議決が必要になり、議会に対してはなしのつぶてでは済まないはず。ましてや、議員連名で市長に対して同意しない旨の要請書まで出ている。と思ったので、知合いの議員に電話で問い合わせてみました。すると答えは、意外にも、何の情報もないというもの。これには驚きました。何もかもが闇の中だと思いつつ、ネットで検索すると、市長記者会見の記録が引っかかってきた。令和3年7月26日(月曜日)のもの。読めば、驚き以上の衝撃です。発言内容もさることながら、このような発言が臆面もなくできること。そして、それが市のホームページに掲載されていることは、やや大げさですが、恐ろしさを感じます。

 市長の記者会見記録をそのまま引用します。

 

記者… 市が訴えられている市民病院整備事業に係る訴訟の原告からの取り下げについてですが、議員から「政治的な判断で取り下げに同意すべきものではない」という要求書が提出されたと聞きましたが、これに対してどのように返答されたのですか。

市長… 要求書が提出される前に市議会全員協議会において、取り下げに対して同意する旨説明しておりますので、これ以上議会に対してはコメントしておりません。

記者… 「政治的な判断」という意見に対してはどのように思われますか。

市長… 住民訴訟は、多かれ少なかれそのような部分も含まれると思います。私は被告人という立場ですので住民の皆さんと争うことは悲しいことであり、同意しない理由はないと思います。

 

 市会議員の人たちはこのことを知っているのか心配になります。これでは対話は成り立たないというより、頭から関係を切る、拒絶の姿勢。

 説明するまでもないと思いますが、市長の論理はいつものように、逆さまになっている。議員は、市長から「同意する旨説明」を受け、はじめてそのことを知ったから、「同意すべきものではない」という要求書が提出した。それなのに、市長の方が先に同意しない旨議員に伝えたから、要求書を無視するというこの姿勢。ちなみに、市長自身は、記者の質問に対しては、同意するのか、すでにしてしまっているのか、明言を避けている。

 今後、市長は補正予算を必要としないのか?他方、議会は議案が提出された時どう対応するのか?