珍しく市長出席の市民懇談会 現地半額建替え検討の轍を踏むことになりそう

 去る7月21日午後開かれた栢木市長出席の「元気な野洲まちづくりトーク」。珍しく市長が出席した市民との懇談会。いずれ、市議会の答弁や市広報の範囲内の情報しか出されないと思って関心を持っていませんでした。ところが、参加した人からその時の状況を聞いて、思いがけず情報量が多いのに驚きました。

 病院の話題はご法度となっているという噂が出ていたとおり、市長は冒頭で、病院のことは新聞などで報道されているので、話題にしないと断ったそうです。しかし、その後話の展開のなかでBブロックについても言及。Bブロックの位置や面積も説明し、そこに建てる方針である。今後、その可能性を検討してもらうと説明。

 これでは、現在、Bブロックに病院を建てるための計画等策定業務のプロポーザルを公募していることと話の筋が違います。市長のつもりでは、計画等を策定業務の委託を行うが、結果として実現可能性がないことが判明し、計画が策定できないことも想定しているように受取れる。ということは、以前書いたように、1千万円余りを使って、先の現地半額建替え検討の轍を踏み、その二の舞になりそう。

計画も100床の施設もできたばかりなのに早々とまたも100床計画? 鬼が笑う!

 もうひとつは、高齢化対策の話題。市長の話は次のようなことだったとのこと。

 公約で高齢化対策を訴えた。そこで、一人暮らしの人たちの増加に対応して、第9期の介護保険事業計画で100床の特別養護老人ホームを整備していく方針であると表明。おそらく参加していた人たちは、詳しい情報を事前にもっていなかったので、驚きはなかったと思います。

 栢木市長就任後に策定された、今年4月からの第8期介護保険事業計画には、第7期末の「令和2(2020)年度に広域型100床が整備されました。」ということを踏まえ、「施設介護サービスについては、老人保健施設の状況と合わせると、7期における整備によって一定充足され、当面その状況が維持できると考えています。」と記されている。それにもかかわらず、第8期がはじまった早々から、第9期での100床の特別養護老人ホーム整備を市民に約束するのは異例だし、鬼が笑いそうです。

過去には行政改革しかなかったとの認識で始める、ふるさと納税が目玉の行財政改革 まずは今のお金の使い方から見直し

 まだいくつかありますが、最後にもうひとつ。市長になって、財政が厳しいことを細かい数字も含めて知った。そこで今後行財政改革を担当の室を作って進めていく。ここまでは良かったのですが、過去には野洲市では行政改革しか行われていなかったが、今度は、行財政改革を行う。

 懇談会の様子を伝えてくれた人も、市長は自分で分かって話しているのか疑問だっと言っていましたが、まさに馬脚が現れている。以前紹介した、リーマンショック後に取組んだ2010年2月策定の「野洲市財政健全化集中改革プラン」。この取り組みもまったく認識がないようです。

 しかし、これでは余りにも酷いと思ったので、市ホームページにあった、7月1日付の資料「野洲市行財政改革の推進について(概要)」を開いてみると、最初のページ1行目に 「これまで野洲市では、リーマンショックに端を発する法人市民税の減収に対応するために『財政健全化集中改革プラン』を、(中略)「行財政改革推進方針」とその実施計画である「行財政改革推進計画」をそれぞれ策定して、厳しい財政状況に対する改革に取り組んでまいりました。」とあったので、安心しました。知らぬは市長だけのようです。ところで、この行財政改革の話題では、市長は10月から導入する、ふるさと納税のことを得々と話していたそうです。

 行財政改革は否定しませんが、本気でやる気なら、まずはBブロック病院計画等策定でのお金の使い方などから切り込む必要があると思います。そうでないと組織がついていかない。