特殊詐欺の被害ではない 「市長への手紙」での市民の怒りいくつかを拾ってみ

 ここ数日、さまざまな場面で市民の人たちと話していて、思い浮かんだこと。それが、標題の「騙されなかった人・騙されたと気づいた人」というフレーズ(語句)と怒るという言葉です。

 このフレーズからは、「オレオレ詐欺」をはじめ、手口が多様化巧妙化している特殊詐欺のことを一般には連想します

 市民との話だけでなく、先だって触れた「市長への手紙」での市民の意見でも同じような状況です。市のホームページに公開されているものを拾い読みして驚きました。厳しい意見が連なっています。公開されているものは、いずれも住所、氏名、メールアドレスなどを明らかにした、差出人が責任をもって述べた意見です。

 そのなかから、いくつかを拾ってみます。

「市長への手紙」から市民の怒りの例をいくつか拾ってみると

「昨年の市長選挙、嘘の公約に騙された市民がどれほど多くいるかお解りでしょうか。嘘というのは『現在地で医療を続けながら120億の半額はおろか38億で病院は建つ』こんな出来もしないことを公約に掲げられたら何も知らない市民は騙されますよ。」

 

「『専門家の意見も聞いている、半額でできる。』と、候補者として選挙前にあれだけ訴えておきながら、「いち民間人」だから責任はないとの姿勢は到底許されるものでは無いと考えます。」

 

「公約を信じて、重い一票を投じた者に対する裏切り行為ではないでしょうか。」

 

「栢木市長は昨年の選挙においてさまざまな公約を掲げ、ご当選されました。しかし、蓋を開けてみれば病院をはじめとする公約違反と見受けられる事案が多数あるかと思います。昨今の事態の責任を取るつもりはあるのかご回答いただきたい。栢木市長は職責を全う出来てないので投稿させてもらいました。」

 

「市長は公約で病院を現地で半額で建てると言っていたのは公約違反ではないのでしょうか。断念したのはコロナ禍のせいにしていますが、本当はそうではないのではないですか。1月にあった説明会に聞きにいきましたが、明らかにトーンダウンしているように思いました。専門家に検証してもらったのに、無駄なお金を使って学者や医者に意見聞くとはもってのほかです。自信たっぷりで個人演説会していたのはなぜですか。半額で立てられると言ったから期待していたのに騙すつもりだったしか見えません。」

信用して当たり前

 ここに書かれているように、選挙戦での演説会や街宣車でのアナウンス。また、選挙公報や選挙管理委員会の証紙が張ってあるビラに公然と書かれてあった。演説会では国会議員や他市選出の県議会議員までが大挙して応援に駆けつけていたので、よけいに信頼度を高めた。これほどの設えがあっては、信用して当たり前。公約を信用したうえで、駅前計画と比較して、現地半額公約に票を投じた有権者です。それなのに、託した公約が半年も持たないで呆気なく崩壊した。上に紹介したような、怒りの意見が続々出てきて当然です。

 

騙されなかった人までが怒っている 公約破綻しても元の駅前計画に戻さずBブロックに 

 このように騙されたり、裏切られたりとの思いを持つ市民が怒るのは、当然です。ところが、今回の場合は、そうでない市民の人たちまでが怒っている。そこが冒頭に書いた特殊詐欺の場合と異なります。もちろんなかには、被害にあわなくても正義感から怒る人はいるかもしれないが、それよりは同情するのが普通。しかし、今回の場合は、栢木市長の公約に期待した市民に劣らず、怒っている。その理由は、人それぞれだと思いますが、端折っていえば、公約の現地半額建替えがダメになったら、市長が元の駅前Aブロックの病院計画に戻すと期待した。しかし、3候補地をあげてさ迷った挙句、狭くて駐車場用地もないBブロックに建てる方針に転換して、計画のプロポーザルまで始め出した。そのうえ、Aブロックの計画はまったくめどが立たない状態。このような理由だと思われます。以前紹介した市民団体のビラからも伺われます。

問題は数でなく、政策の中身と議論

 このような状態が市にとって健全でないことは明らか。何らか打開する工夫と努力が必要です。まずは、病院事業はじめまちづくり情報の透明さ、そして対話が欠かせない。

 来る10月の市議会議員選挙には、栢木市長を支え、賛同する意向の候補者を5、6人立てる。このため、市長自ら奔走しているとの噂。それは、市長の随意で結構ですが、問題は数でなく、政策の中身と議論です。