市民団体「駅前新病院を実現する会」のビラ

 駅前市民病院の早期実現を呼びかるビラが郵便受けに配られていました。以前紹介した市民活動団体が、駅前Aブロックでの病院建設を呼びかける内容。ビラの画像を添付しておきますし、市内には配られているようなので、詳しくは触れません。

 概要は、Aブロックなら、① 設計もほとんど出来上がっている② 国の交付金や交付税も見込める③土地が広く使いやすい病院ができる④ 駅や駅ロータリーに近く交通便利⑤Bブロックに250台の駐車場がある。

 Bブロックでは、①土地が細長くて狭い② 駐車場用地がない③事業費も安くならない見込みなどといったこと。

 さらに、「市長は商業開発誘致という名目で、Aブロックに店舗付き分譲マンションを建てる計画を議会で明らかにしました。」とも書いてあります。

市議会「病院整備事業の進め方に関する決議」同様に本来の病院計画への期待は根強い

 ビラの内容は、先の市議会定例会での駅前Aブロックでの病院建設賛成の議員の質問や定例会最終日の「病院整備事業の進め方に関する決議」の趣旨と同じです。 このように本来の病院計画への期待は根強い。

 この状況は、市長公約の現地半額建て替えが破綻。そして、現在は、誰も望みも想定もしていなかったBブロック病院の方針が市長によって一方的に進められている。そのうえ、Bブロック病院については、ビラに書いてある問題に加え、市長が公表した情報に整合性がなく、令和7年度開院の確証がないからなおさらです。

 市長は「市民を2分」してきた病院問題を解決すると公約した。しかし、今の状況は2分どころではない。Bブロック病院で市民全体がおさまっている状況でないことはもちろん、以前紹介したように、市内に病院は要らないのではないかという趣旨のビラまで配られている。

市長の「市民を2分」とは何と何の2分か? 実は、駅前病院と病院反対との2分?

 ところで、これを書きながら、ふと気づきました。余談になりますが、「市民を2分」とは何と何に2分だったのか?

 駅前病院と現地半額建替えとの2分?それとも、駅前病院と駅前反対との2分?ところで、もし、後者の、駅前病院と駅前反対との2分だったとしたら、駅前反対の方は、どこに病院を建てるつもりだったのか?それとも、実のところは、駅前反対の真意は駅前かどうかでなく、そもそも病院反対ということだったのか?2分というからには、駅前と別のどこかの2分のはず。しかし、駅前と別の選択肢が示されなければ、2分ではない。

 ところが、市長の公約のなかには、市内に病院は必要であると明記されていた。何でもないようなことですが、この辺りに今の混迷の根っこが潜んでいたのではないか?このように、徒然に考えていくと、とりとめもなく、うやむや(有耶無耶)境に分け入っていきそうです。

健全な市民意識の表れであるが、病院実現への道筋はつながっていない

 本題に戻ります。ビラに込められた市民の熱いメッセージや市議会の議決のとおり駅前病院実現への期待は重要です。また、健全な市民意識の表れでもあります。しかし、市の行政執行権を持っている市長の方針がそちらに向かっていないため、その実現への道筋はつながっていない。

 他方、市長の方針の実現性も明らかではない。市長が示しているBブロック病院は、精度が低く、いわゆる絵が描けていない。このことは、市議会での質問に対する答弁や市民からの手紙への回答での具体性のなさでも明らか。市民と議会の場合と同様にその実現への道筋はつながっていない。これが、野洲市の病院問題の現状です。これをこれからどう打開していくのか?その道を模索している時間的余裕はないとしても、前向きに模索するしか道はありません。