苦しい論理でBブロックを選ぶ理由はAブロックを空けるため!

 市広報7月1日号の市民病院記事について、日を改めてもう少し書くつもりでした。ところが、今日、市ホームページに住民監査請求結果が載っていたので、そのことについて明日書くことにしたので、市広報の件を仕上げておきます。

 先に書いたように、市長の論理を素直になぞっていくと、水が低いところに流れるように、自然に病院はAブロックに行きつきます。それではなぜ苦しい論理でもって、Bブロックを選ぶのかというと、その理由は、改めて言うまでもなく、Aブロックを空けるため。

ブロック説明大幅後退! 商業も税収増も消え、「にぎわい」だけに

 市長就任以来の説明からも、まず空けることが目的になっているように受取れました。今回、そのことが、図らずも、市広報の記事から読み取れました。というのは、広報には、「駅前Aブロック(5,400㎡)については、今後にぎわいを創出する場所として利活用を検討します。」としか書いていない。

 昨日の議会決議にもあったとおり、病院を無理にBブロックに押し込むためには、その大義名分として、市民にとって有用で価値のあるAブロックの活用案を先に、あるいは少なくとも同時に明らかにすることが絶対条件となります。

 ところが、満を持して掲載した広報には、上記の1行しか記載がない。これまでの説明からもから、大幅に後退している。商業開発も、税収増も、ランドマークも、サウンディングも一切書いていない。「にぎわいを創出する場所として利活用を検討」としか書いていない。昨日、決議の審議のなかで、もとから駅前反対の稲垣議員が決議案提案者の工藤議員に対して、にぎわいの定義を質問していましたが、ここで市長のいう、にぎわいとは何をさすのか曖昧。これでは、議会中に市長が、坂口議員の質問に対して答弁した、分譲マンション、立地と地価からすると高層マンションになると思われる、そのマンションに人がたくさん住むことをさしているように読まれてしまいます。

あと気になる深刻なこと 市長のAからBへの方針変更による病院企業会計への大きな財政負担

 あと気になることは、広報記事に小さな字でサラッと書いてあること。財政が厳しいと嘆きながら、Bブロックにするために生じる、交付済みの1億5千万円の国交付金の返還、Bブロックのうち当初の広場(公園用地)900㎡を市から病院会計で買わなければいけないこと、さらにはAブロックの起債の一括償還経費約10億7千万円をどう工面するのかといった深刻な問題。いずれも、栢木市長がAブロック計画をBブロック計画に変えることから出てくる財政問題です。これらは、市財政というより、先ずは、病院の企業会計に負担を強いることになる。

 これらのことを、市長は市民と議会に正確かつ丁寧に説明して、了解を取ってから行うべきです。

 今日公表された、住民監査請求の結果では、市長が就任直後に行った設計業務契約中止について、「世論をほぼ二分する市民病院建設問題に関して、元の整備計画への反対を表明して市長選に当選した被請求人が、同計画の見直しのため、同計画実施のための本件各業務委託を一旦中途解約し、成果物を受け取ったうえ、出来高払いをするという判断をしたことは、不自然、不合理なものとは言えず」と判断しています。しかし、市長の立場と責任はそんなに軽いものではないはず。本来なら、上記のことまであらかじめ見越して、事を起こすべきでした。