議員が市民の思いと怒りを背景に質問しても、市長の答えは言葉遊び 徒労感のみ 

 今日6月17日は開会中の第2回野洲市議会定例会の本会議場での一般質問初日でした。例によって、病院と駅前開発関係を中心に時間の許す限り、ネット中継で傍聴しました。議員はそれぞれ工夫しながら市長を問いただしていました。特に、鈴木市朗議員と岩井智惠子議員が、二転三転する病院問題について市民の思いと怒りを背景に論理的に詰め寄っていした。

 一連のやり取りを聞き終えての感想。それは、栢木市長の就任してからの約8カ月と同様、これからもこのような言葉遊びで時間が過ぎて行くのだろうかという、徒労感が残りました。鈴木議員も似たようなことを述べていました。

それでも議員質問で明らかになった点も 病院は正式にBブロック決定の認識! 

 以上のようなやり取りではありましたが、それでも議員の質問によって今日はじめて明らかになった点もあります。順不同に、私見によるコメントをつけながら紹介します。

①新市民病院をBブロックに建設することは5月28日の特別委員会で正式に示した。

 これには驚きました。先日も書いたように、議会はBブロック決定の協議も了解もしていないと思っていたからです。Bブロックについては3候補地の時の資料しかなく、それ以外公文書は一切ない。今後、今月末の議会全員協議会で基本構想と計画策定の業者発注のプロポーザルについて説明したうえで、7月から業者募集と選定を始めるといったので、そのような認識なのだと思います。

 病院の重要なことであるのに、なぜ、会期中に特別委員会を開いて審議しないのか不可解です。仕様書をかためて公募されたら、後では取り返しがつかない。

自らの論理矛盾には頓着なし! 

②評価委員会ではAブロックを推す意見が大半であったのに、Bブロックに決めた理由は、以前何度か紹介したとおり、社会資本整備交付金と病院事業債とのこと。評価委員会の意見を重く受け止めるという市長の答えとどう整合するかは頓着なし。

 また、それではAブロックでも同じではないかという質問には、Aブロックは商業開発誘致と決めているからという市長の回答。どのような手続きで決まったのかといえば、選挙で当選したからが答え。

 答弁の中では、『野洲駅南口周辺整備構想』を踏襲すると言っているのと矛盾しますが、そんなことには、評価委員会の意見の場合と同様、頓着なし。

Bブロック病院は160床を前提に、延べ床面積、12,500㎡

③Bブロックでの病院の規模が突然示されました。病院の考え方はAブロック計画と同じで、病床を19床減らし、160床を前提にして、延べ床面積、12,500㎡。Aブロック計画より、1,800㎡縮小。

 これを前提に年度末に策定完了の基本構想と計画で建設費と運営試算を示す。今は見込んでいない駐車場もそこで示す。

 今ない駐車場用地が、その時点でどうして生まれてくるのか不思議ですが、今日はそれで終わっています。

Bブロックで半額とは一言も言っていない! 床面積13%減と250台駐車場なしで10億~20億円減

④半額建替えの公約は、現地建て階の場合有効なもの。現地建て替えを断念し、駅前Bブロックに転換したので半額ではできない。「Bブロックで半額とは一言も言っていない。」Aブロック計画の85億円より10億~20億円減額する。

 これまた、驚きです。床面積を約13%縮小し、250台の立体駐車場を建てないで、10億~20億円減を実現。これなら、『民の知恵と力』を持ち出すまでもなく、子供でもできる。実質は、割高になります。

 要約すれば、市を2分してきた問題を解決し身の丈に合った病院をつくる。

 細かいことはここで言いませんが、市長本人や支援者がこれまでAブロック計画を批判していた指摘内容が利息付きで市長に返ります。

隣接JA土地現在のところ交渉なし これからはでてくるかもしれない

 ⑤Bブロックに隣接のJA土地買収の交渉については、市長の答えは、現在のところしていない。ただし、少し聞き取りにくかったが、これからはでてくるかもしれない、のようなことを言っていた。。

 地下駐車場については、免震構造の地下部分に高さ3mの空隙ができるので、その活用可能性ということで、特別委員会で答えたとのこと。

駅前の商業開発誘致来年2月の国土交通省サウンディングまで未定

⑥駅前の商業開発誘致に関しては田中陽介議員が丁寧に質問していましたが、答えの内容はほとんどなし。要するに来年2月ごろに予定されている国土交通省サウンディングに応募する準備を進めるとの市長の答え。サウンディングについては市長は就任後に知ったとのこと。ここでこそ、良くも悪くも『民の知恵と力』の出番のはずです。国土交通省の昨年度の資料を参考に貼り付けておきます。

 なお、田中議員が、質問のなかで、病院はA、Bブロックどちらでも良いと明言したのには驚きました。

 それと、どの議員だったかの質問に対して、市長がマンションはないと明言したことは、以外にもポイントでした。

サッカーのつもりが、市長はそれに加えて、ハンドボールやラグビーのルールも

 最後に、改めて感想です。このようなやり方も通用するのかと驚きと心配が高まりました。議員や市民はサッカーをやっているつもりでいても、市長はそれに加えて、ハンドボールやラグビーのルールも使って攻めたり守ったりする。病院や駅前の問題だけでなく、新型コロナウイルス対策の困窮者支援、ふるさと納税、病院の医療事故など、市長だけでなく、幹部職員も栢木市長ルールに習熟してきた感を深くしました。これでは、まともなゲームにならない。後は市民の判断になります。