珍しいほどに生産性のない会議 良くない酒にあたっての二日酔いの気分

 どっと疲れたという声を何人かから聞きました。私も会議の様子を伝え聞いたり、録音を聞いてまったく同感でした。傍聴者以上に委員の大半には徒労感があったのではないか。昨日5月17日の評価委員会が終わっての感想です。

 委員の多くは誠実あるいは切実に意見を述べているにもかかわらず、市の対応と会議の運び方、そして、一部の委員が自説をまくしたてる。理由は、市の軸足が定まっていなくて、達成目標の明確でない会議だったからだと思います。珍しいほどに、生産性のない会議。しかしその裏に秘められた狙いがあって、それが達成されたのではないかという疑念も感じた。そのことでよけいに気分が良くなかった。今朝目覚めたときは、飲み過ぎでなく、良くない酒にあたっての二日酔いの気分でした。

市長は会議ではあいさつ以外無言で、終了後、「駅前で病院整備はしない」と発言

 あのような雲を掴むような会議だったので、報道価値はないと思っていました。ところが、朝、何紙かに記事があると知人からメールがありました。見てみると、確かに4紙ほどに記事が。

 中日新聞から引用します。「委員からは、駅前で早期の整備を求める声が多くを占めたが、栢木進市長は終了後、『駅前で病院整備はしない』との考えを改めて示した。」、「栢木市長は『駅前での病院整備に反対を掲げて当選した。委員の意見は参考にするが、Bブロックも面積的に無理だと思う』と述べた。」

 そうか、本体の会議では通り一遍のあいさつで済ませ、後は無言で通す。そして、後でこのような「技」をかけるのかと思いました。これでは、昨日の会議はいったい何だったのかという徒労感が増す。結果としてか意図的にかはわかりませんが、委員の人たちを「泳がせていた」だけのことになります。常識的には、不誠実であり失礼なやり方です。

駅前で病院整備しないつもりなら、なぜここに来て駅前の資料を当日配布したか?

 従来どおり「駅前で病院整備はしない」と確信しているなら、なぜここに来て、駅前市有地の資料を当日配布したのか。多分、議員は自分たちの要望が通ったと思い喜んだ。また、期待感を持った市民もいた。評価委員会の委員もそれを前提に駅前土地を推奨する意見を熱心に述べた。それなのに、会議終了直後に報道陣に対して、駅前のことなんか端(はな)から頭にないと、ビシャリとやる。ついでに、自ら候補地としてあげている、駅前Bブロックまでも面積的に無理だと否定する。これもすごい「技」。一旦持ち上げて喜ばせ、落差をつけて一気に落とす。

藤村委員と角野委員から栢木市長にとってはありがたいお墨付き まさに「技」あり

 「技」にちなんでいえば、もうひとつ。議会の総意による、駅前市有地を候補に入れるという要望を資料配布して会議の話題に供した。このように駅前を畳の上にあげておいて、公開の場で徹底的に叩きのめす。その方が事は早く済む。その役割を担ったのが、滋賀県理事の角野委員と市自治連合会長の藤村委員。この2人の発言が異例に長く執拗でした。

 委員の権限は均等ですが、それを前提にしても背景から見ると、この2人の存在は大きい。角野委員は滋賀県を代表して委員委になっているはず。かたや、藤村委員は市内にある90余りの自治会の長を代表しての委員。いわば市民代表です。その2人が、駅前はダメで郊外だと断言した。そして、角野委員は場所に関しては評価委員会でなく、市が決めるべきとも言った。さらに、上本委員長は会議の最後に後は市議会特別委員会に委ねると締めくくった。これは栢木市長にとってはありがたいお墨付きです。

 これが冒頭、裏に秘められた狙いと書いたこと。議会からの要望という、相手からの仕掛の力をうまく自らの方に生かして、「技」をかけ叩きのめす。これだけは、先に相手の議会が仕掛けてきたのだからまさに「技」と認めてよい。

但し書き 藤村委員、角野委員、栢木市長は何時から主義主張や公約をすり替えたのか

 ここで終わらないで、但し書きが付きます。市自治連合会はかつて駅前市民事業が議会否決が重なって、見通しが厳しくなったときに、率先して、全議員との話合いの場をもち、流れを転換させた主体でした。藤村委員はそこをどう整理し、合意形成して会議に臨んだのか。

 また、角野委員は終始病院の現地建て替えを主張してきた中心人物。栢木市長のブレーンでもあり、市長の看板公約である現地建て案を支えた「専門家」のひとりであるはず。

 そして、栢木市長の公約は、駅前はダメだけでない。これだけなら、単なる壊し屋さんです。病院に関していえば公約は、市内に病院は必要。そして早い建替えが必要。その実現は現地半額建替えです。

 この3人は、何時から自らの肝心の主義主張や公約をすり替えたのか。次に移る前に、その説明責任が果たされることを市民は期待しています。