野洲市は接種率0.69%と低く、8月末完了見込み 接種会場を市立病院1カ所にしたため

 野洲市の「新型コロナワクチン接種予約再開のお知らせ」というハガキの問題点について先に書きました。その時は、とりあえず2点しかあげませんでした。

 もう一つ大切なこととして、接種の期間がいつからいつまでか大いに気になっていました。すると今朝の新聞に報道がありました。野洲市は接種率が0.69%と低く、完了を8月末と見込んでいる。その理由として接種会場を市立病院1カ所としたため。個別接種をしたいが医師会と協議だ出来ていない。接種従事者が不足している。概略このような内容です。(京都新聞1面)

会場が病院1カ所は公約の病院現地建替え断念の理由にするため? スタッフ総動員での接種の期待裏切る 

 これはひどいことです。

 以前、野洲市は接種会場を市立病院1カ所としている。このため、接種が平日午後と休日に限られるため、市民には不便である。また、市長公約の病院現地半額建替え断念したのは病院がワクチン接種会場となることを理由にするためではないかと指摘しました。

 ただし、それでも時間は平日午後と休日に限られるとしても、病院スタッフには負担になり、気の毒ではありますが、病院スタッフを総動員し、医師会の協力も得て、速やかな接種を行うものと良い方に解釈して、期待していました。しかし、事実はまったく違いました。

 なお、市は、接種会場を市立病院1カ所とした理由にワクチンの副反応への対応をあげているが、それはほかでもできる。まずは早く高齢者の接種を終えることが優先される。そのうえ対象者全員への接種に向け、まだ先は遠い。

市長が医療従事者 この論では市長は消防従事者、教育従事者等々と都合よく名乗れる 職業上危険度高い人はほかにも 

 それに加えて、これまた先に書いた栢木進市長の優先接種。上記と同じ新聞に報道があります。そのまま引用します。

 「野洲市の栢木進市長(64)は4月2日に医療従事者枠で接種した。今月10日に始まった高齢者の集団接種は市立野洲病院が唯一の市内会場になっており、市は『市長は病院事業管理者。医療従事者に当たる』との認識を示した。当日に接種したことを公表しており、問題ないとしている。」

 この理屈は通りません。市長は消防の管理者でもあり、小中学校の設置者、文化・スポーツ施設、ごみ処理施設の設置者等々です。この理屈で行けば、時によって、消防従事者、教育従事者等々と都合よく名乗れます。

 普通、医療従事者といえば、医師、看護師、放射線技師、理学療法士、作業療法士等々の日常職務として医療に携わる人です。いわゆる事務職であっても、通常の勤務場所が医療機関であるものに限定されます。

 今回の騒ぎが起こってから、どこかの首長が病院事業管理者として週1回病院に行っているから接種したと言っていました。感染の危険度から見れば、週1回通院している患者の方が高い。あるいは毎日病院の清掃などに携わっている人の方が危険度は高い。

 起こってしまったことにとやかく言ったり、怒っても仕方はありません。しかし、この姿勢は他の業務分野においても良くは働かないと懸念します。

厚生労働省の示す医療従事者等

 今回のワクチン、財源は国民の税金ですが、たちまちの供給は政府です。最後にその大本である厚生労働省のホームページから医療従事者の定義を、長くなりますが引用しておきます。

対象となる医療従事者等(厚生労働省「医療従事者等への接種について」より

 以下の方々が、早期に接種する医療従事者等に該当します。ご自身が該当するかどうかご不明な場合は、お勤め先にご確認ください。

1. 病院・診療所・薬局・訪問看護ステーションに従事し、新型コロナウイルス感染症患者・疑い患者に頻繁に接する業務を行う職員

2. 自治体等の新型コロナウイルス感染症対策業務で、新型コロナウイルス感染症患者・疑い患者に頻繁に接する業務を行う職員

3. 新型コロナウイルス感染症患者・疑い患者を搬送する救急隊員等・海上保安庁職員・自衛隊職員。