駅前病院はどのようなもの? 保険約款と同じで事故が起きてからしか手に取らない!

 最近になって駅前の市民病院計画はどのようなものかという問いかけを直接、間接にたびたび聞くようになりました。しばらくの間、現地半額建替えの声高い公約の魅力にかき消されて、多くの市民は先にそちらに関心が移ってしまっていたからかもしれません。

 ところが市長公約の現地半額建替えが半年も持たないで呆気なく消滅してしまった。その空白に改めて関心が持たれるようになったといったところ。

 非公開で行われた現地半額建替えの検討と違って、全て公開で会議が行われ、結果はその都度市のホームページや広報紙で公表されてきた。しかし、自動車保険の約款のようなもので、目の前にあっても関心のなかに入らない。不幸にも事故が起きてからしか手に取らないのが常です。したがって、駅前の市民病院計画はどのようなものかという問いかけは今更ではありますが、むしろ今だから知りたいという思いも真っ当だとも言えます。

気になるお金の話から 市民負担は金利別で30年間で約27億円、年1.8億円  

 前置きはこの程度にして早速単刀直入に、駅前の市民病院計画を紹介します。できるだけ図表を用いて説明します。いずれも市ホームページなどで公表されているものを基本にして分かりやすく加工しました。

 まず、気になるお金の話から。

 市長は120億円の贅沢な病院と言い続けています。議員のときは仕方がないとしても、市長に就任してからも、市の事業である駅前市民病院計画をしっかりと確認していないのではないかと心配です。

 表で分かるとおり、120億円は何もかも含んでの金額です。120億円から国からの特別の交付金10億5千万円を除いた約107億円が実質の事業費。

 この約107億円の半分54億円は公営企業である病院事業が経営のなかで30年間に均等で返済します。市民の税金は使いません。金利を別にすれば年1.8億円。医業収益で年32億円弱、病院全体の事業収益で年約36億円の想定では返済可能な金額です。

 残る半分54億円は、市民病院であることから設置者である市が負担します。病院と同様30年間に均等返済、金利を別にすれば年1.8億円。ただし、毎年返済時に国からの交付税で半額支援されるので、半額の9千万円になります。市民の負担は金利を除けば30年間で合計27億円です。

 なお、これ以外に市の負担としては建設費ではありませんが、市民病院としての運営に毎年約2億円。これにもまた国からの交付税支援があります。

 これらの負担は、過去長い間、民間病院に巨額のお金を無利子で貸し出し、土地を提供し、そのうえ一切国の支援もなく、町単独で毎年1億数千万円を補助してきたことと大差ありません。

市民病院が担う医療機能

 病院の機能は図のとおりです。

市民病院の概要

施設概要、病棟・病床、診療科目などの概要は図のとおりです。

施設配置と動線

 施設の配置は図のとおりです。「野洲駅南口周辺整備構想」の図もつけておきます。

 市民病院への動線(アクセス)は図のとおりです。バス、電車など公共交通機関からは駅前広場から直接入れます。車は図のとおり一筋に市側の市道からです。駅の混雑とは競合しません。駐車場と病院は2階でつながっています。