一般会計予算案に賛成は良いが、変心の理由と説明は?

 今日の夕方に市民からメールが入りました。内容は明日の市議会のことで、一般会計予算案には賛成して、決議文を出すとのこと。子育て支援や教育はじめ市の1年間の事業の元になる当初予算の否決に対しては元々私も反対。それよりは議員が問題だとする事業の予算の修正を求める方が趣旨に適うと考えていたので、良い方向かなとは思いました。ただし、ここまで来ていながらの変心には、その理由と経緯の説明が必要と思います。

当初予算案反対も視野に入れた要請書の提出 生産的な論戦と展望を期待したが 

 3月19日に野洲市議会4会派10⼈の議員が連名で栢木進市長に対して市民病院はじめ市政の進め方に関して要請書を提出しています。そして、この要請書への回答期限を今日3月23日とし、回答の内容によっては新年度の当初予算案に反対することも視野に入れていることを報道で知りました。

 あまりの勇ましさが心配になりましたが、万一当初予算案が否決されても、義務的経費の執行は実質的に可能なので市政の混乱は回避できるだろう。それよりは、議員が賽を投げたことによって、予算案を人質にした政争にならないようにしながら、市民のための生産的な論戦と展望が開かれることに期待を表明しました。

勇ましく予算案否決に突き進みながら要請書に名前を連ねた議員の足並みが乱れている

 そうしたところ、今日の朝の新聞報道で市議会予算常任委員会が昨日22日に、病院整備の問題を巡り、栢木進市長の対応に不満があるとして、新年度一般会計当初予算案を否決したことを知りました。委員会採決では全17人の委員のうち賛成8、反対8となり、委員長裁決で否決されたとのこと。

 数の論理でなく、どのような慎重な議論をしたうえで、否決したのか心配でしたが、目を通した新聞ではそこまでは分かりませんでした。それより不審に思ったのは、いきなり勇ましく否決に突き進みながら、これでは、要請書提出に名前を連ねた10人の議員全員が否決に回ったようではない。賛成した議員が1人いる筈で、足並みが乱れているなと思いました。

市長回答は駅前病院は市長方針どおり中止 予算案可決予定は常任委員会での否決と整合性がない 

 このようなところへ、先の市民からのメールです。詳細が分かればと思って、その市民に電話しました。また、その後、補足情報を求めて複数の市民に確認したところをまとめると次のとおりです。なお、すでに議員が報道機関に声をかけて説明したようなので、明朝報道されるかもしれません。何れ明日が市議会の閉会日なので、日を置かず結果が判明すると思います。

 本日23日期限の市長回答を踏まえて、記述のとおり、明日の採決では一般会計予算案には賛成して、決議文を出すとのこと。メールをくれた市民は市長回答がすでに公表されているためか、入手していて電話で朗読してくれました。3項目について長々とお役所言葉が並んでいましたが、肝心の駅前病院については16日の特別委員会での市長方針どおり中止となっているようでした。駅前市有地を候補地に入れる意向はないようです。

 この情報だけでは、駅前市有地を病院整備の候補地に加えることを眼目にし、新年度予算案への反対も視野に入れていることを公言したうえで提出した。そして、現に議会手続きとしては重要な節目である市議会予算常任委員会で昨日「要請書の回答が見通せないので、議員の思いの真剣さを示すために否決した」(毎日新聞)「動き」との整合が全く取れていません。

回答前に議員と市長が密室で協議? 批判してることを議員自らが犯していることに 

 そのうえ、驚くべき事が伝わってきました。議員の人たちは問題意識を持っていない様子なので、すでに報道機関にも伝えているかもしれません。市長からの回答を受取る前に議員は市長と非公開で話し合いを持った。そこで調整された内容が市長の回答文に反映されているということのようです。話合いの内容までは伝えられませんでしたが、場が1回か2回持たれたことは確かなようです。

 市民は、今日を期限の回答文が来る。議員はそれを公表したうえで、明日の本会議の論戦に望むと思っていました。もちろん、回答の前に要請書提出者である議員と市長が協議することは問題ありません。ただし、以前書いたとおり、市議会開会中に市議が市長に要請文を出すことが例外であって、本会議や委員会など公開の正式の場で議論するべきもの。その前提を踏まえていれば、公開の要請書も異例ではあってもやることに問題はありません。しかし、公開の要請書への回答の前に当事者同士が密室で協議していたとなれば、これは問題です。協議をするのであれば、あらかじめ公表して市民に公開の場でやらなければ、密室政治になりなります。

 もしこのことが事実なら、市長あて要請書で批判している病院現地建替え検討会の非公開問題と同じことを議員自らが犯していることになるのではと心配になります。

 加えて、議決が決議に変わるようなので心配は増します。議会の使命と役割は議決です。私が今日得た情報が完全なものでなく、明日の議会が筋の通った分かりやすく、病院問題はじめ市民の展望が開かれるものになることを期待します。