不可能でないのであれば、課題を解決して公約実現の努力を 

 昨日朝の新聞に市立野洲病院の記事が載っているとの連絡があったので、記事を確認しました。

来週3月16日に予定されている市議会の『野洲市民病院整備事業特別委員会』露払いのような記事。記事の概要は、栢木市長が、病院の現地建替えを断念。方針を転換して、新しい候補地の選定を進めていることが12日、関係者への取材で分かった。このような内容です。

 記事には断念、方針転換とは書いていますが、最後の方には、現地建替えは技術的に不可能ではないけれども課題などがあるからといった市長のコメントが添えられています。直近の議会質問でも「『現地建替えは技術的に不可能ではない』と報告されているのでまだ現地建替えの可能性はあると考えている。」と答弁しています。

 これでは断念しているのかどうなのか。「断念」の「断言」がなされていません。

普通の感覚から見れば、不可能ではないのであれば、課題などを解決して、公約を実現するべきです。1月14日の初回の検討会議でも委員の滋賀県の角野理事が強調していたとおりです。市長が、ということは市民が置かれている状況を客観的に正確に認識しなければ次が踏み出せない。

市役所内で情報共有と議論がされていないのではないか? 市長と一部職員のプレー

 ここまで記事になっているので、いつものとおり市のホームページで部長会議要録を確認しました。最新の3月9日(火)午後からの会議。そうすると、会議冒頭の市長コメントで、「来週の16日(火)には野洲市民病院整備事業特別委員会が開催される。開催に向けて関係各位には尽力してもらうこととなるが、協力をお願いする。」とありました。その後、何か報告か議論があって、記録されているかと期待しましたが、項目すらありませんでした。会議の最後に、委員会の会場や別室を入れて、約120名の傍聴者の受入れが可能であるという、議会事務局からの報告が記されていました。

会議録からみると、旧来であれば当然であった、特別委員会資料について部長会議への報告と議論が一切行われていない模様です。関係各位の尽力とか協力を願うとかいっているが、市の最高幹部である部長会議の参加者は全く蚊帳の外に置かれている状態。もしそうなら、チェックが働かず危険であるし、職員の士気も落ちます。

いきなり新しい候補地選定に移れない まず病院像を明らかにする必要

 次に市議会のホームページを確認すると、「野洲市民病院整備事業特別委員会の開催について」というお知らせ文が出ていました。日時、場所に続いて「付議事件 」として(1)現地建替えの検証結果について (2)今後の病院整備の方向性についてとなっていました。

 (1)の検証結果は先の3月1日の会議出されたもの(2)今後の方向性が、新聞報道にある新しい候補地の選定に当たるのだと思います。先の答弁でも、「駅前か駅前でないかを問わず」と答えていたことと符号が合います。

 駅前の計画を止め、現地半額建替えが無理というなら、完全に振出しに戻ってしまいます。いくら急ぐといっても、自らが時間を無駄にした責任者。まず、やるべきことは、市民に対して公約が実現できなかったことの説明が必要です。

そして、万一、場所選定に移るなら、どのような病院をつくるのか、病院像を明らかにして、その実現のための場所選定に移るべきです。これでは、目的も、用途も、家族構成も、懐具合も確認しないで、車を買いに行くようなものです。順番が違います。

 それと、場所のこととは別に、「半額」の約束についても、明確にする必要があります。現地という公約はダメになったとしても、駅前計画と比べて、「早く」と「半額」は公約として残っています。

 最後に、肝心なことがもうひとつ。大切な約束をいきなり破った人の信用回復は並大抵ではありません。