3月5日の野洲市議会本会議の質疑

 今日3月5日も野洲市議会本会議の質疑があり、ネット中継で見ました。

 病院に関しては、橋俊明議員など何人かが、各会派の代表質問で触れていました。市長の答えは、昨日とほぼ変わらず、病院長などと協議して、3月16日の特別委員会に方向性を報告するという内容。議員の追及もそれ以上には及びませんでした。市長は病院長などと何をどう協議するつもりなのかとか、これまで協議があったのかなかったのかなど、市民としてもっと知りたいことがありましたが、残念でした。

 

今日市民に新しく明らかになったこと

それはそうとしても、市民に新しく明らかになったこともいくつかありました。次のようなことです。複数の議員への答えを要約するため、言葉を補っています。

1. 公約は、駅前市有地の贅沢な病院整備に反対ということであった。市長になったことはそれが直近の民意であったことになる。

2. 反対のためには、対案が要るということであったので、現地半額建替えを提案した。公約ではない。

3. 現地半額建替えは公約ではないので実現できなくても公約違反に当たらない。したがって、責任問題は生じない。

4. 現地建替えに拘らない。現地反対についても反対が多かったことを認識していた。

5. 検討会の2つの専門部会の会議を非公開とした理由は2つ。ひとつは、委員に自由かつ率直な意見を述べてもらいたいため。もうひとつは、傍聴者多いから。

6. 検討会の専門部会の議事録を作成していない理由は意思形成過程の情報であるから。公開することが事務事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため。

7. 専門部会も含め、議論の熟度は十分に確保された。

8. 野洲駅前新病院整備の設計業務の契約を解除したのは駅前市有地の病院整備に反対の公約が市民に支持されたから。それを踏まえて、議会と協議することなく市長権限で契約解除した。

9. 野洲市民病院に関して起こされている2件の住民訴訟に関しては、訴訟案件なので一切答えない。

見えてきたこと1 市長の意図は駅前病院を止めること 市立病院の見通し一層遠のく

 以上の情報について一々コメントするようなものでもないので、見えてきたことの大筋を簡単にまとめます。

 ひとつは、市長の意図は駅前病院を止めることであって、病院をつくることではないということ。したがって、市立病院の見通しが一層厳しくなりました。

このように見る理由は、次のとおりです。

市内に病院は必要と言いながら、「公約」は駅前市有地での総事業費約120億円の贅沢な病院整備に反対ということ。

n 120億円の贅沢な病院整備と言いながら、その個別費用や財源構成などを分析せず、また何が贅沢であるかの説明もしていないこと。

現地半額建替えは公約ではないので実現できなくても公約違反に当たらないとの認識を市長は持っていること。

見えてきたこと2 会議非公開は確信犯 市政が急激に密室化 市民を野次馬扱い

 もうひとつは、野洲市の「市政」の進め方が、急激に密室化、敢えて言えば暗黒化していることの懸念です。

 これには多言を要しないと思います。検討会の専門部会の会議を非公開とした理由を委員に自由かつ率直な意見を述べてもらいたいとか傍聴者多いからとしている。

非公開にすれば、「自由かつ率直」であるかどうかは別にして、無責任な意見の可能性が大きくなります。

 また、市税を使って市の業務として行っている検討会の情報を市長と一部職員だけが独占することになる。

 さらに、傍聴者多いから非公開というのは、本末転倒です。市民にとって重要で関心高いから傍聴者多いわけです。これでは市民を野次馬扱いしていることになります。

ウルトラC案は出るか? 病院長などへの期待と責任が高まる

 このように市長の目標は駅前病院を止めることであることが明らかになりましたが、それはそうとしても、市長は、「あらゆる選択肢を模索」する方針で病院長など医療関係者と協議して、3月16日の特別委員会に方向性を報告すると約束している。そして、これまでの答えでは、現地とは別の場所で半額で病院整備をする方向性を報告すると約束していることになります。これでは、そのウルトラC案の鍵を握るのは病院長などとなります。おのずから、病院長などへの期待と責任が高まることになり、別の心配が出てきます。