予定どおり今日3月1日午後、野洲市役所で市長公約の病院現地半額建替え検討の会議が開かれました。家族が傍聴してきたので話を聞き、配られた資料も見ました。傍聴者は予想どおり多かったようです。幸い、別室が用意されていて、入場制限はなかったようです。

傍聴しての最初の一言、あれは何だったのか 部会報告に専門家委員から質問・議論なく用意されたまとめへ

  帰宅した家族の最初の一言は、あれは何だったのかというものでした。会議が終わって帰りがけに駐車場で一緒になった人たちも同じような感想だったようです。

会議の進行は次のとおりであったようです。

委員長の滋賀医科大学上本伸二学長が、今日はまとめを行うという開会のあいさつ。続いて市長のあいさつ。その後、内容はあらかじめ準備された2つの専門部会の報告。それらの内容は、昨日も書いたように、すでに新聞で報道されているとおり。口と耳での取材でなく、今日配られた資料かそれに近いものを見て書いたとしか思われないほど正確な報道になっています。したがって改めて紹介するまでもないと思います。要するに問題点の指摘に終始しています。部会に参加していなかった委員を含め、ここまでは専門家の委員から質問はなかったようです。

 そして、要するに議論もなくあらかじめ用意されていた次のとおりのまとめに至ったようです。

 「一般的には、現地建替えは技術的に不可能ではない。ただし、狭隘な現病院において、医療を継続しながらの現地建替えは、実現困難となる課題や懸念事項が多い。」

狐につままれたような議会答弁話法型まとめ 公約に白旗? 市民代表委員の意見に切実な生の声

 狐につままれたようなという例えが相応しいい印象です。そしてこのまとめの文章は以前『議会答弁話法いまだ健在』という標題で書いたブログで市民に誠実でない説明の仕方であると批判した類のものです。「論点を外して、それでいて何かが答えられたかの如く仕上げ」られた文章です。一流の科学者や技術者が委員である検討会の文章としては全く意外です。省庁だけでなく、大学も大丈夫ですかと心配になります。

 いずれにしても、傍聴した市民の多くは、健全な市民感覚から、現地運営半額建替え公約に白旗が上がったと受取ったようです。

 なお、最後に市民代表の委員に委員長が発言を求めたそうです。それに対して、自治連合会代表の田中委員が市長公約の半額で病院ができる状況ではない。できなかったらどうするのか。駅前で早く建てる方が市民の健康を守ることができるとの趣旨の意見を述べた。また後二人の委員からは一刻も早く病院をつくってほしいとの意見が出されたそう。今日の会議で初めて出されたこの3人の意見が、一番切実な生の声と傍聴者には受取られたようです。

しかし、最終判断は「どうすれば現地で建て替えができるのか」と主張した滋賀県角野理事の判断に?

 今日のところは、市長の言う「第3者委員会」の報告です。市民代表の田中委員が意見のなかで市長に質問しても委員長が受け付けなかったほど、市長の発言が控えられていたようです。真剣な検討というよりは儀式めいた進め方が気になります。

 いずれにしても、先に示された日程では、この後16日に市議会特別委員会で市長の方針表明があることになっています。したがって、今日のところで、私たちが諦めて結論を出すの早計かもしれません。そのため、判断を保留して、このまとめを文章として客観的に読んで見ることにします。すると、次のような解釈もできます。

 「一般的には」という但し書きが付いていますが、「不可能ではない」という断定は、当然可能だということを言っていることになります。それなら、現地運営半額建替えを実施してくれれば私も含めて市民は歓迎します。市長本人も第一番の公約が実現できます。多くある「課題や懸念事項」も努力、工夫して解決すればよいわけです。現に1月14日の会議で「まずは『どうすれば現地で建て替えができるのか』というスタンスで議論を進めていくべきだ」と滋賀県の角野理事が力強く発言しています。今日の会議に彼は欠席していたようですが、これまでの筋からすると市長は、多くある「課題や懸念事項」を解決する方策を角野理事に相談したうえで、最終判断をすることになるのかと思います。だだし、もし角野理事も白旗をあげた場合は、覆水盆に返らずのとおり、深刻な事態が待ち構えています。