検討の専門部会は完全に秘密

 病院問題はじめ野洲市の動きが見えないということだったので、久々に市のホームページを探ってみました。

 市民病院整備に関しては、「最新情報についてお知らせします」として、次回の『野洲市民病院整備運営評価委員会』の開催案内がありました。令和3年3月1日 月曜日 13時30分から15時まで(予定)、場所は市役所3階第一委員会室。委員会は公開。

 次に、先の1月14日の『第9回野洲市民病院整備運営評価委員会』の会議資料があげられていました。

 ただし、その会議資料には1月14日(木)の第1回「建築専門部会」、1月21日(木)第1回「医療専門部会」と記載されている会議に関しては開催されたことは一切情報がありません。まさに秘密の秘密です。

設計業務の中止 二元代表制で市長は提案 決めるのは議会次に市長への手紙の「市立病院整備関係」を見てみました。新市長の回答が5つほどありました。そこで気になったことがありました。

 まずは、いずれの答えにも「私が市長選挙で対案として訴えたことが現地での建て替えであり、結果的に私の案を市民の皆様からご支持いただいたと認識しています。」という言葉か同じような趣旨の文言があったことです。もちろん認識することにはまったく問題はありません。ただし、最終段階にあった駅前病院の設計業務を中止するには認識だけでは足りません。設計業務を継続し完了するよう先の議会で決議されたにもかかわらず、市長は問答無用で応じないと明言しました。

 この設計業務は野洲市病院事業の設置等に関する条例などを前提に議会議決を踏まえて進められています。市長の認識と一存でとはいかないはずです。手紙の回答では、他の場面では多用されていた民意という言葉がなぜか使われていませんが、真意は記者会見等で述べられている通り、選挙の結果駅前計画は中止して、現地半額建替えが民意だと言いたいのだと思います。したがって、設計業務は中止した、あるいは中止するという意向なのだと思います。

 しかし、改めて言うまでもなく、自治体は二元代表制で成り立っています。基本的に市長は提案できても決定できない。決めるのは議会です。まだ提案もしないうちから行動するのは勇み足だし、余計な世話かもしれませんが、市長本人にとっても危険なことです。

駅前病院整備費用約120億円の強調 うち市税負担は約30億円 現地半額は未定

 もう一つ気になったことは「駅前の病院整備費用約120億円」などと約120億円が強調されていることです。手紙回答だけでなく、1月14日の『第9回野洲市民病院整備運営評価委員会』の会議資料でも大きく書かれていました。

 確かに基本設計はじめ土地代などすべて入れた総事業費は約120億円。ただし、病院本体と立体駐車場合わせた通常いうところの建設費は85億円。そこから国からの交付税や交付金、病院運営収入による負担を除けば市民の税負担は実質約30億円。それも30年間かけて毎年1億円の負担という計画です。一方現地半額案はいまだ電卓で計算したレベルとされているなかで120億円の強調は異様です。