梅は咲き初めが見頃 蕾には水分も多く、香りも勢いがある

 長浜市の慶雲館での恒例の盆梅展を訪れてきました。昭和27(1952)年にはじまって、70周年とのこと。

 曇り空でみぞれまじりの小雪の舞う、この時期の湖北地方特有の天気でした。住んでいる方にとっては別かもしれませんが、訪れる者にとってはそれもまた風情のひとつです。

 会場内は早春の色と香りに満ちていました。3月10日までの会期のまだとっかかりで、蕾状態の木がほとんどでした。しかし、固く小さく握りしめてエネルギーをため込んだ拳のような蕾の群れが、樹齢数百年の老木から咲き出でようとしている様子は美しくも、感動的でもあります。

 会場で聞いた話では、桜は満開が良いが、梅は咲き初めが見頃だとのことでした。蕾には水分も多く、香りもその頃の方が勢いがあるとのこと。また、色のある花よりも白の方が香りが強いとも。

 なお、会場の慶雲館そのものも建築と庭園が素晴らしいものです。

 

慶雲館・盆梅に切り絵の技と動物オブジェの組合せが楽しい

 従来の展示に加えて、70周年の今回は米原市在住の切り絵作家、早川鉄兵さんと京都芸術大学のチームのコラボレーションの展示も楽しめます。オリジナルの切り絵も技、情感とも素晴らしいですが、動物たちのオブジェにした展示も愛嬌と驚きがあって楽しめました。また、壁面いっぱいに超拡大された切り絵が、それでも精巧な姿を保っているその技にも敬服しました。

 

旧長浜駅舎 現存する日本最古の駅舎 往時のイギリス建築の雰囲気

 慶雲館の道を挟んだ北隣に旧長浜駅舎があります。明治13(1880)年着工、同15(1882)年3月10日に北陸線の始発駅として開業したとされています。現存する日本最古の駅舎。

 現在の北陸本線は米原~金沢間ですが、北陸線として明治初期に長浜~敦賀間が全通したときは始発駅でした。そして、長浜~大津間は琵琶湖の湖上交通を前提としていました。当時先に長浜~関ヶ原間が開通しており、湖上交通を介して大津、京都とつながる重要なターミナルでした。

 設計はお雇い外国人のイギリス人技師で日本最初の鉄道駅である新橋停車場と同じ形という記録があります。今テレビで人気のイギリスのドラマ番組に出てくる往時のイギリス建築の雰囲気をとどめています。