先週倉敷市の大原美術館と福山市の明王院を訪れた後、その日は牛窓に泊まりました。先のブログでは長くなるので割愛し、そのままにと思っていましたが、今もその快適さの実感が残っているので、参考情報にと追記します。

「しおまち唐琴通り」でタイムスリップ

海か島並みに落ちる夕日が見られるようと、5時前に着けるように車を走らせましたが、渋滞で叶いませんでした。ホテルに着いた後、もう暗くなっていた、「しおまち唐琴通り」と名づけられた古い家並みの通りを翌日の下見をかねて歩きました。まだ6時過ぎでしたが、平日の日没後ということもあって、人通りもなく、店もほとんど閉まっていました。そのため、余計に何代か前の時代にタイムスリップしたかのような味わいでした。また、穏やかな海が歩みに寄り添っているという感覚も得難いものでした。通りは灯かりも少なく、持っていた懐中電灯が必要なぐらいでしたが、中に1軒だけ煌煌と灯をつけて工事を急いでいる喫茶店風の建物がありました。

 

コピーでなく、堪能できる「日本のエーゲ海」とギリシャ料理

ホテルに戻って夕食を取りました。メニューはギリシャ料理。注文した時はなぜなのかなと思っていましたが、食べている途中で、日本のエーゲ海という売り出し方がされていたことを思い出し、納得しました。香料や味付けは工夫されていて、本場ほどの野趣はなく、肉、魚介、野菜、ソースどれも美味しく、予期せず異国の味を堪能。ギリシャビールもなかなかでした。ホテルの建物もエーゲ海風ということの意味が分かってみるとその分快適さも増して、暗い街道歩きでの不安も霧散しました。

早朝の前島へ

翌朝は、日の出が見られるように早めに起きて、フェリーで5分の前島へ。早朝の島をしばらく散策して、歩くにつれて刻々と変化する風光を楽しみました。海に向かうなだらかな斜面のキャベツや白菜畑も風景に溶け込んでいます。

本蓮寺の海を臨む三重塔

前島から戻って、昨夜の通りを歩いて社寺を巡りました。なかでも港近くのやや高台にある本蓮寺は、海を展望する境内は広くはありませんが、風格があります。本堂は室町後期の端正な建築。海を臨む三重塔は、江戸時代と古くはありませんが、小ぶりながら均整の取れた美しい建築です。本堂などに比べて大きな客殿は江戸時代、岡山藩が朝鮮通信使を接待するための宿舎に供されていたそうです。

昨夜煌煌と灯をつけて工事中だったお店がオープン初日の開店準備中でした。石窯パンと掲げてあるパン屋さんでした。買い求めようと思いましたが、11時開店ということで諦めました。ホテル前まで戻って、昨夜歩いた時に気になっていた、かまぼこ屋さんに寄りました。普通のお店かと思って中に入ると、目移りがするほど、ほんとうに多くの種類の揚げたてのかまぼこが並べられていて、美味しそうな匂いを放っていました。大げさではありますが、ヘンゼルとグレーテルの気分でした。全種とまではいきませんが、ひとつずつ買い求めて、さっそく部屋に戻って海を見ながらいただきました。

お昼前に、牛窓を発って、途中備前焼を見て、最後は、姫路城の前を通って、書写山の圓教寺に参拝して帰って来ました。もう一度参道から瀬戸内海を目にすることができました。