市の病院計画批判と現病院運営半額建替え約束のビラが?

先日ある市民から立腹の電話がありました。駅前の飲食店などに置くかたちでビラが配られている。2種類あって、いずれも現市長の名前が載っており、そのうちのひとつには顔写真も入っている。「新病院整備計画の七不思議」という大きな見出しのもとに、いまさらながら、市の病院計画を批判する内容が連なっている。一方で、建築や病院の専門家は、病院を運営しながら現病院の敷地で建て替えは十分可能と言っている。また、専門家とともに調査検討の結果、120億円の約半額で新病院建設が可能と分かったので、この案をもとに、早急にこの問題を決着させるべきだ、などの趣旨が書いてあるということでした。

そのほか、ビラには、中主小学校校舎を長年放置してきたうえに2年遅れること、市が国スポのラグビー会場を拒否したことの批判やそもそも主会場が希望が丘であったのに市の対立的姿勢によって彦根になったなど、ある事ないこと書き連ねてあるとのことでした。

私は、新市長が就任してすでに半月になるのに、まだ選挙中みたいですね。自信がないので牽制球か予防線でしょうか。それらは選挙の事前に新聞折り込みされていたのと同じですねと言って電話を終えました。

病院駅前中止は明言するが、現病院運営半額建替えには言葉を濁す

2、3日はそのままにしていました。しかし、その後新市長がいくつかの会合で、公約の現病院運営半額建替えに関して、素人だから分からない、第3者委員会で揉んでもらう、駅前でないことは明言するが、現地に拘らないなどと発言していることに関して市民から意見を求められることが何度かありました。旧中主町地域も選択肢だとか、そこの人たちは、隣市にある県立病院に行けば済むとかいった発言もそれなりの筋から伝わってきます。伝聞や風聞で物事を判断することは危険ですが、伝聞などが錯綜すること自体が異常です。

また、水道料金基本料金4か月減免、都市計画税の課税当面延期、子どもの医療費無料化などについても市民等から問い合わせがありました。そこで、それと思われるビラを探して、目を通しました。

嘘も方便として大きな善のためには小さな悪は許されるとのつもりか?

「嘘も方便」という良く知られて便利なことわざがあります。これもある市民と話していて出てきた話です。その人が知人に出来ないことがいっぱい約束されているのではないかと言ったら、勝たなければ仕事ができないから仕方がない、世の中そんなものだとの答えが返ってきたので、呆気にとられたとの話でした。まさに、「嘘も方便」です。

このことわざは、仏教の教えに由来するとか、いろいろ説明がありますが、普通は、嘘はついてはいけない悪いことではあるが、よい結果を得る手段として時には必要であるといった意味です。言い換えれば、大きな善のためには小さな悪は許されるということです。

嘘をついてでも得られなければならない大きな市民利益とは何? 市民の不安はつのり政治への信頼も失われる!

水道料金の基本料金、都市計画税の課税延期、子どもの医療費無料化などは、中期的に見れば財政の健全化に懸念はありますが、たちまちは財政調整基金を取り崩せば実現できます。しかし、選挙中の公式ビラや街宣車でのアナウンスはもちろん、事前のビラでも繰り返して大きく積極的に宣伝された公約のいわゆる一丁目一番地である、現病院運営半額建替えは、経費面でも疑問がありますが、それはさて置いても、物理的に無理があります。素人だから分からない、第3者委員会で揉んでもらう、現地に拘らないなどと言ってモタモタしていると、病院職員の士気の衰えはもちろん、医師会、医科大学等との信頼関係も損なわれ、せっかくの半額建替え前に、市内の医療が失われる恐れが現実味を帯びてきます。

今回、嘘をついてでも得られなければならない大きな善・市民の利益とは何なのか。それが、できるだけ早く市民に明らかにされなければ、市民の不安はつのるばかりか、市政はもとより広く政治への信頼も失われることになると思います。