レジェンド&バタフライ
久々の邦画レビューです。
東映創立70周年記念作品で20億円が投入された超話題作。
だけど、酷評が多すぎない?
2時間48分が長すぎる?
そんなあ。
hitoはもっともっと見ていたかったなあ。
あらすじ
政略結婚で結ばれた、格好ばかりの織田信長(木村拓哉)と密かに信長暗殺を目論む・濃姫(綾瀬はるか)は、全く気が合わないと水と油の関係。
ある日濃姫の祖国で内乱が起こり父が命を落とす。
自身の存在意義を失い自害しようとする彼女に、再び生きる意味と場所を与えたのは、他でもない信長だった。
そんな信長もまた、大軍に攻められ窮地に立たされた時、濃姫にだけは弱音を吐く。
自暴自棄になる彼を濃姫は鼓舞し、二人は桶狭間の激戦を奇跡的に勝ち抜く。
これをきっかけに芽生えた絆はさらに強くなり、いつしか天下統一が二人の夢となる。
しかし、戦さに次ぐ戦さの中で、信長は非情な"魔王"へと変貌してゆく。
本当の信長を知る濃姫は、引き止めようと心を砕くが、運命は容赦なく本能寺>へと向かっていく。
<魔王>と恐れられた信長と、<蝶>のように自由を求めた濃姫。
激動の30年を共に駆け抜けた二人が見ていた"本当の夢"とは―。
(映画「レジェンド&バタフライ」公式サイトより)
本物にこだわったディテール
韓国映画のスケールに見慣れてるhitoですが、何が何が。
本映画はスケールの重みが違った。
ロケ地のほとんどが、国宝や重要文化財。
セットではなく、本物の寺院仏閣が惜しみなく使われた。
これが実現したのも、「東映創立70周年映画に相応しい場を」との大友監督のこだわりから。
できる限り“本物”の場所を追求し、全国30ヵ所以上で撮影されたとのこと。
ここまで撮影できたことが凄すぎる。
※ネタバレ注意
水と油の関係から、そして・・・
「織田信長」はあまりにも有名すぎて、フィクションもさぞや気を遣うだろう。
歴史に詳しい人から見て、ある程度納得される脚本でないと、とんでもないクレームがでるだろうし。
だからといって、ドラマみたいに長々と尺があるわけではないから、すべての合戦を実写するわけにもいかない。
どこをどう切り取るか、それが映画の醍醐味だ。
桶狭間の戦いは軍議を取り上げた。
打つ手がない信長に、濃姫が軍師となって戦略を与える。
もちろん、これが正解かどうかはなんの根拠もないが、全く可能性がなくはない。
本作では、信長の尾張・美濃の統一までは、濃姫が明智光秀の役割を担ったかのよう。
ワクワクした。
綾瀬はるかがキムタク信長を鼓舞する姿にしびれた。
政略結婚で夫婦になった信長と濃姫だが、初夜の場面から格闘してて、まさに水と油。
しかも、濃姫は虎視眈々と信長謀殺を狙っていた。
濃姫自身、将来、信長へ恋心をもつなど夢にも思っていなかっただろう。
だけど、信長はそうじゃないとhitoは見てとった。
初対面の婚礼の議で、キムタク信長の綾瀬はるか、いや、濃姫を見つめる目。
あれは、一目惚れの目つき。
そして、キムタク信長の最期の言葉。
ずっと、ずっと好いておった。
これを聞いて確信した。
そして、この映画は、想いを告げられない男女の究極のラブストーリーだと思った。
切なさが爆発する
久しぶりに涙が出た。
映画やドラマを見て涙が出るってほんとにいい。
1 ラストシーン 信長の最期
木村拓哉の涙が美しすぎる。
2 信長が濃姫に戻ってくれと頭を下げたとき
しかも、このシーンは、伊藤英明と中谷美紀が立役者でもある。
この2人は木村拓哉と綾瀬はるかの引き立て役だったかもしれないが、このシーンは、この2人あってのシーンだった。
ほんとに、いいものを見せてもらった。
お互い好きなのに・・・じれじれ。
「もはや、好かん男の妻である必要はねぇでな。うれしかろう。」
と濃姫が挑発すると、
「おまい様も好かんおなごの夫でのうなる。まっことめれたいこっちゃ。」
と信長。
終いには、
「ほんなら離縁じゃな。」
「おぬしのほうから申し入れやぁ、いつでもそのようにいたす。」
「わらわから申すは筋違いじゃ。おまい様が申し付けてくんさりゃほんでええ。」
なんとも微笑ましい。
お互い好きなのに、好かん男とか、好かん女とか。
ほんとに、中学生かっ。
だけど、この離縁うんぬんの会話が後に大きな伏線となる。
伏線が回収されるのは、泣ける3つ目のシーン。
3 本当に濃姫が離縁を申し出たとき
だけど、信長も実は濃姫がそれを言い出すと察知していて、別れたあと、伊藤英明(濃姫のお付き 福富平太郎貞家)に濃姫の夫になってくれとお願いしているのだ。
もう切なくて、切なくて。
この3つのシーンは何度見ても涙腺が緩む。
信長が本能寺からもし脱出していたら・・・。
濃姫の夢を果たす夢物語も描かれていて嬉しかった。
映画館に何度も見に行きたくなるという気持ちもよくわかる。
明智光秀が信長を裏切った理由
明智光秀がなぜ信長を裏切ったか。
いろいろ諸説があるようだけど、本作は面白い解釈だった。
明智光秀は、"第六天の魔王"と化した信長に惚れ抜いた。
だけど、信長に魔王の表情が薄れていった。
普通の人間には、天下統一は果たせない。
だから、信長に代わって自分が天下を獲ると。
漫画的。
あの有名な徳川家康の饗宴シーンも見ものだった。
なにより、徳川家康役が斎藤工だと全く気付かなかった。
斎藤工と思ってみても、見えない!
これほど本人に見えない特殊メイクなら、何も斎藤工を使うことないやろと笑った。
濃姫とのじれじれ、ツンデレなキムタク信長は最高でした。
まるで韓ドラ的でしたね。
だけど、韓国映画に慣れていると、もっとサイコパスな信長が見たかった。
画像は映画.comさんから引用させていただきました。
●hito基準による評価(10点満点)
泣き又は感動2(3点満点)
爽快感1
脱力感1
ストーリー1
胸きゅん度又は嵌り度1
没頭度2(2点満点)
メッセージ性1
9点