マルモイ ことばあつめ
「不快感を乗り越えた先にある感動を諦めきれない」
私が日本統治時代の作品にはまった理由をズバリ言い当てられているブログがあった。
「マルモイ」は、ユ・ヘジンを中心にほんわかするムードの中で、え、この人も?この人も?というくらい、惜しみない俳優陣の揃い踏み。
俳優の面々を見るだけでも一見の価値ある名作。
あらすじ
1940年代、日本統治下の朝鮮半島・京城。
パンス(ユ・ヘジン)は、息子ドクジンの中学から授業料の未払いの通知を受け、留学から帰国したてのジョンファン(ユン・ゲサン)に窃盗を働く。
ジョンファンの父親は、ドクジンが通う京城第一中学校の理事長。
20年前は独立派だったのに、今は親日派となって大日本帝国軍のいいなりになっている。
朝鮮語の使用が規制されたことで、ジョンファンは仲間らと秘密裏に朝鮮語辞典を作ろうとしていた。
ジョンファンとは最悪な出会いをしたパンスだったが、人手不足もあり、ジョンファンはしぶしぶパンスを仲間に加える。
そうした最中、朝鮮総督府は代表のジョンファンと辞典の原稿を狙い、弾圧を増していく。
(あらすじ by hito)
もやもや感が・・・
「密偵」「暗殺者」「ミスターサンシャイン」「カクシタル」などの日帝時代の話に共通しているのは、親日派と反日派の対立という朝鮮人同士の哀しい構図が見えること。
歴史は歴史、それを踏まえたうえで、時代に押されて親日にならざるを得なかった朝鮮人の葛藤とか怒りのような感情に心を打たれる。
多分、単に日本を攻撃するだけの話だと、私はここまで嵌ってはいなかっただろう。
本作は、これまでのドンパチ主体の構図と視点が違い、命懸けで朝鮮語辞典を作ろうとする言葉の専門家たちと、それを陰ながら応援する人たちの感動作。
帝国軍人の情け容赦ない非道さは想定内だけど、日本語を強要される子どもへの体罰や、帰らぬ親を待つシーンがすごいインパクトで、ああ、このまま終わったら嫌だなあともやもやしていた。
だけど、エンディングはそのもやもや感を一掃してくれる爽快感。
こういうところ、監督さん、ほんと上手いよなあ。
さすが、「タクシー運転手 約束は海を越えて」の脚本家だ。
驚くべきキャスト
ユ・ヘジンは単独主役よりも、こうした準主役のポジションの方がいい。
そうしてユ・ヘジンに後押しされて、主役のユン・ゲサンとのバディ感が一掃映える。
ユン・ゲサンとは「国選弁護人ユン・ジンウォン」以来の共演。
冒頭にも書いたけど、映画は見なくても韓国ドラマファンならわくわくするような布陣。
日本で言う大河ドラマ並みだ。
よく、ここまでそろえたなあ。
是非、映画をご覧になって、ポスターに写っている人以外に誰が出てるのか確かめてください。
画像は映画.comさんから引用させていただきました。
●hito基準による評価(10点満点)
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泣き又は感動2(3点満点)
爽快感1
脱力感1
ストーリー1
胸きゅん度又は嵌り度0
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没頭度2(2点満点)
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メッセージ性1
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8点
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