その恋、断固お断りします
なんてことないアラフォー世代のラブコメかと思ってたら、どうよ。
配役も、私が知ってるドラマだったら2番手くらいの俳優たちだけど、演技力はあるし、なんていってもケミ度が高い。
キム・オクビン、ユ・テオ、キム・ジフンの過去作品を見直して見たくなるほど、楽しいドラマだった。
7話あたりからキュンキュンが止まらず、以降、神回の連続。
あらすじ
ヨ・ミラン(キム・オクビン)は弁護士でありながら、悪人を拳で退治するアクション大好き人間。
さらには、その美貌で男をひっかえとっかえ、ある晩、ホテルでばったり女連れの彼氏と遭遇してしまう。
ミランの事務所が解散し、面接に言った先は、W二股で別れた彼氏が勤める芸能人御用達のギルム法律事務所だった。
面接の日、事務所に国民的俳優ナム・ガンホ(ユ・テオ)と事務所の代表ド・ウォンジュン(キム・ジフン)が現れる。
ミランは、ガンホを見て、以前に女性蔑視の悪態をついていた男だと察した。
それで、思わず足を引っかけて、ガンホを無様な姿に。
ミランは採用され、大女優チェ・スジン(キム・ソンリョン)の担当となる。
ほどなく、イケメンのガンホとウォンジュンのゲイ疑惑が持ち上がる。
ウォンジュンはガンホとの契約恋愛をミランに持ちかける。
(あらすじ by hito)
○キャラクターのギャップ
ミランは、弁護士なのに、ケンカが強く、しかも、やたらもてる。
一度ミランを知ったら好きにならずにはいられないというほど、カッコいい女性。
ガンホはアラフォーなのに、熱狂的な追っかけがいるくらいの人気俳優。
一見、常に笑顔で、物腰も柔らかく、理想の男。
二人に共通しているのが、過去のトラウマで異性に対して極度の偏見を持っているということ。
二人とも、初恋でこっぴどく恋人に振られていた。
実は、それ以上のトラウマがあり、ミランは、実父が母親を侮辱する姿に我慢できない。
ガンホは実母が自分を捨てたことが起因しているよう。
社会での地位を確立している二人は、ともにいい男であり、いい女だ。
だけど、いい人とは見かけ倒し。
ヨ(女)・ミランとナム(男)・ガンホが、二人の出会いでいい人に変わっていく過程がとても楽しい。
このドラマが楽しいのはそれだけではない。
ユ・テオとキム・ジフンがいちいちかっこよすぎるのだ。
これが、マジ甲乙つけがたい。
かたや、正統派イケメンのユ・テオ。
かたや、長髪が妙に色っぽいキム・ジフン。
ずいぶん前に見た「チョコレート」で、ハ・ジウォンを巡ってユン・ゲサンともう一人、ハンサムな男がいた。
それが、ユ・テオだった。
あと、驚いたのが、キム・オクビンも出演したアスダル年代記に、ソン・ジュンギの父親役のあの野生の男がそうだった。
そういえば、「チョコレート」のときも、「アスダル年代記」のときも、誰?このイケメンは?と思ってたんだと思い出した。
キャラクターの面白さといえば、キム・オクビンが演じたミランは相当いい。
女が怪力とか、やたら強いというドラマもあるけど、キム・オクビンの格闘ぶりはアクション女優なみだ。
ミランは、ガンホ出演映画のスタントマンの代替えをするんだけど、男たちから「ミシェル・ヨー」みたいだと絶賛されていた。
ドラマの中で、アクションノワール映画を実際に撮るのだから、アクション監督も実際についていたというが、本作は、アクションの本物さが重要だったと思われる。
そこに起用されたキム・オクビンの身体能力の高さには、絶句した。
オクビンはクールビューティのイメージがあるが、ここまでアクションとラブコメのてんこ盛りで、さぞや本人も大満足だったろう。
ユ・テオもキム・オクビンに劣らずお茶目な演技が多くて、実際、ドラマが面白くなったのは、ガンホが恋に落ちてから。
あんなに可愛い顔したら、こんな年下旦那が欲しいと思ってしまうじゃん。
実生活でも、ユ・テオの奥さんは11歳年上らしい。
なんと。
○こそっとジェンダー展開
ミランが男をセックスと拳で支配してきたのにはやはり、両親の影響が大きいのだろう。
自分は男に支配されたくはないと、父親に反対されても弁護士を目指し、男から護身する術も身につけ、自分を磨いて、男を虜にした。
男と付き合えば付き合うほど非婚主義が顕著になっていったというのも、同じような男しか目に留まらなかったのだろう。
本ドラマは、「女だから」のジェンダー論がセリフの中にちりばめられていて、特に顕著なのが、大女優チェ・スジンとミランの会話。
結婚後も仕事は続けますか?
家庭と仕事、どっちが大事?
男には聞かないのに。
本当です。
女の仕事は趣味扱い。
私が結婚したときに聞かれたのは、
朝食は用意しますか?
料理の腕は何点?
正直、どうしていつまでも、気持ちの部分が追い付かないのか。
いったい、いつになったら、ジェンダーの決めつけから解放されるのだろうか。
○もう一つのラブ展開
ミランのルームメイト、シン・ナウン(コ・ウォニ)は、実は、高校時代にミランの恋人を奪った女だったが、あまりのミランのキップの良さに、逆にミランに惚れてしまった。
ミランを誰よりも知り抜いていて、ミランがワンナイトを繰り返すのも、本当に好きな人に出会っていないからだと悟っている。
だから、ガンホに恋に落ちたミランが、乙女のように変貌を遂げていくのを見て、うれしくもあり、相手が芸能人ということで、不安でもあった。
それは、ガンホをマネージメントするウォンジュンも同様だった。
ウォンジュンはもまた、ガンホが幸せになってほしいと心から思っていた。
そうして、友人を気遣う二人も恋に落ちていく。
○ちょっと不服な点
冒頭では、ミランが夜な夜な悪党退治に単身繰り出すのに対して、エンディングでは、明るい昼間に、ミランが酔っ払いのおじさんをおっかけて、そのミランをガンホが追っかけるという、対照の演出が見られる。
でも、この演出より、その前の流れから、世論が二人の仲を許す方向に変わっていったなら、ちゃんとガンホとミランの復縁をマスコミにスクープさせたかったな。
画像はNetflixさんから引用させていただきました。
●hito基準による評価(10点満点)
泣き又は感動1(3点満点)
爽快感1
脱力感1
ストーリー1
胸きゅん度又は嵌り度1
没頭度2(2点満点)
メッセージ性1
8点