ドライブ・マイ・カー その2

どうももやもやが晴れなくて、その2を書くことにした。

 

 

音は何を話したかったのか

音が、くも膜下出血で死んだ日の朝、音は、いつものように前夜の語りを家福に再生してもらおうとした。

しかし、家福は"覚えてない"と言った。

すると、音が言った。

"今晩、話せる?"

 

家福がわざと覚えてないと言ったのは、音の語りの内容にあった。

家福は、音に何かの変化を感じた。

音が絶頂に達している時、家福は目を覆って涙をこらえていた。

 

家福はたいした用事もないのに、時間をつぶし、帰りたくもない家に帰った。

そこで、音の死体を見つけた。

音は何を話したかったか。

 

この謎を解くためには、相当空想を巡らせないといけない。

高槻は"音の話の続き"の中で、語りの中に出てくる第1の空き巣が、第2の空き巣を殺したと言っていた。

"私が殺した""私が殺した""私が殺した"

これが厄介なことに、hitoの脳裏にリフレインしているのだ。

第1の空き巣が音のことだと仮定すると、音は第2の空き巣を殺したことになる。

それを家福に自白したかったのか。

でも、家福は、てっきり音が別れ話をすると勘違いしていたのに。

 

じゃ、音に関係した人で死んだ人とは?

家福と音の"娘"がいるじゃないか。

劇中、家福夫婦が娘の法要をしているシーンがある。

あのシーンはどこが不自然だった。

何がそう思わせたかと言うと、家福は目をつぶって拝んでいたけど、音は目を見開いて仏像を見ていた。

何か、語りかけているかのような、そんな感じ。

"ごめんね"って言ってるような、そんな感じ。

 

家福は娘が亡くなるまでは幸せな時間だと言っていた。

だけど、音にとってもそうだったのか?

もしかして、幸せだと思っていたのは、家福だけだったとか。

音は娘が死んでよかったと仮定するなら、なんかもつれていた糸がほどける気がする。

子育てに手を取られて自分のしたいことができないとか、家福を独占できないとか。

 

娘は肺炎?でなくなったとかだったような。

その原因を音が作ったなら、音が娘を殺したんじゃないか。

娘が死んで虚脱感になったのは、自分が殺してしまった罪悪感があったから。

 

もう一つ。

音の語りの中で、第1の空き巣は第2の空き巣の左目をペンで突き刺したと言っていた。

家福は左目が緑内障にかかっていた。

家福は思わず自分の左のほほを触っていた。

これもなんかあるのかな。

 

うん、まあ。

ここまで吐き出して、なんかすっきりした。

音はほんとにミステリアスだ。

演じた霧島れいかさんもとっても謎めいた女優さんだった。

なんでも、監督は、登場人物の背景にあたるサイドストーリーを用意していて、そのリハーサルもしたようだ。

サイドストーリーってどこかで見れないかな。