EXIT イグジット
久しぶりの韓国映画。
予告をチラ見したが、なんか面白そうだと思って、宅配レンタルが届くのを楽しみにしてた。
うんうん。
面白かったよ~
チョ・ジョンソク、いい仕事してます。
〈あらすじ〉
韓国のある都心部、突如原因不明の有毒ガスが蔓延しはじめる。
道行く人たちが次々に倒れ、パニックに陥る街——。
そんな緊急事態になっているとも知らず、70歳になる母親の古希のお祝いをする会場では、無職の青年ヨンナム(チョ・ジョンソク)が、大学時代に想いを寄せていた山岳部の後輩ウィジュ(ユナ)との数年ぶりの再会に心を躍らせていた。
しかし、上昇してくる有毒ガスの危険が彼らにも徐々に迫ってくる。
ガスに触れてしまった姉と両親・親戚たちは、なんとか救助のヘリコプターで運ばれたが、取り残されたヨンナムとウィジュ。
彼らの手元にあるのは、ロープとチョークと山岳部で鍛えた知恵と体力。
地上数百メートルの高層ビル群を命綱なしで登り、跳び、走る出口は町の一番高い高層ビルよりも上!絶体絶命の中、決死の緊急脱出がはじまる!(映画「EXIT イグジット」公式サイトより)
〇見どころ
なんといっても、チョ・ジョンソクとユナの頑張りに尽きる。
この映画は、極限の状態で2人がどこまで瞬発力をもってやり切るかにかかっている。
ほんとに高層ビルでクライミングしたわけじゃないだろうけど、それに近い状況で、おそらく、スタントも極力使わずこなしたのだろう。
でも、それだけじゃない。
チョ・ジョンソクは、このシナリオを読んだとき、内容が凄く面白くて、他の人と自分が感じた楽しさを共有したいと思った、と語っている。
チョ・ジョンソクが面白いと感じたところはどこだろう。
私は、エンディングに流れる挿入歌がこの映画のメッセージだと思った。
僕の魂を根底から揺さぶった衝撃
誰にでもチャンスは必ずやってくる
深く眠っている無限の才能
カッコよく体を張って彼女を助け
黙ってにっこり笑顔を見せよう
チョ・ジョンソクが演じたヨンナムは、アラフォーにもなるのにいまだに就職できずにいた。
母親の古希のお祝いの会場を2時間もかけて行かなければならないような場所を選んだのは、そこに大学時代に告白したウィジュが勤めていたからだ。
ウィジュにかっこいい会社勤めの姿を見せたかったのに、無職で、しかも家族がやりたい放題で、一つもいいところを見せられない。
それが、流れで、2人は有毒ガスから逃げ遅れてしまった。
上に逃げるしかない2人が、山岳部の経験を生かして、ビルの谷間を飛び越え、壁をよじ登り、屋上に避難。
そこは、男としてやるときはやる。
思えば、これまで鍛えてきたのは、この時のためにとしか思えないほどだ。
そうして、男のプライドと命を懸けてチャンスをものにしたヨンナムが、ようやくウィジュにも1人の男として意識してもらうことに成功したのだ。
とてもポジティブで、元気を与えるキャラクターだ。
私はそこまでチョ・ジョンソクの出演作を見ているわけではないが、「嫉妬の化身」を見た時の印象として、普通に演じてもコメディのような可笑しさを持ち合わせている。
そして、相手との呼吸をとても重要視している俳優だと思っていた。
そのあたり、インタビューでも語っていたので、ああ、やっぱりそういうタイプの俳優なんだなと思った。
https://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=2122712
だから、今回、ユナがジョンソクとすばらしいケミストリーを生み出したことで、ジョンソクが自分が感じた楽しさを観客と共有したいと思ったことは達成できたと思う。
韓国映画なので、どうしても家族愛の描かれ方は独特である。
そこは、好き好きだけど、ジョンソクとユナの体を張った演技、そして、ヨンナムがようやく男を上げて、自分がヨンナムになった気持ちで喜べる映画である。
●hito基準による評価(10点満点)
泣き基準2(3点満点)
没頭度2(2点満点)
爽快感1
脱力感0
ストーリー0
胸きゅん度1
メッセージ性1
7点