W -君と僕の世界- 再視聴

 

人気ドラマなのに、おまけに2016MBCドラマ大賞まで取ったドラマなのに、いまいちテンションが上がらず、一度はリタイアしたドラマ。

再視聴してみて、やっぱり難解ドラマだと納得。

でも、まあ、素直に書いてみることにします。

 

 

〈あらすじ〉

研修医として平凡な日々を送っていたオ・ヨンジュは、ある日、父が描いた大人気ウェブマンガ「W」の絵に吸い込まれ、その世界に入り込んでしまう。

 

そこで彼女が出会ったのは、幼い頃から“理想の恋人”として思い描いていた主人公カン・チョルだった!

 その日以来、現実とマンガの世界を行き来するようになったヨンジュは、次第にチョルへの想いを募らせていく。

一方、ヨンジュのことが気になり始めたチョルは、彼女の正体を探ろうとするが、その過程で自分の世界が“マンガ”であることを知ってしまい…!?(W -君と僕の世界- 公式サイトより )

 

 

パラレルワールドでも、過去へのタイムスリップでもなく、なんと、漫画の世界と現実を行ったり来たりするなんて、よくまあ思いつくものだと感心。

10話くらいまでは、なんで私リタイアしてたんだろうって不思議に思ったくらい面白かった。

自分の存在理由に疑問を感じ始め、自分の生きている世界が実は虚像だったことを知ったカン・チョルの悲哀は、演じるイ・ジョンソクにとって大きな山場だっただろう。

本屋で漫画「W」を全巻読み切るシーンは、こちらまで切なかった。

 

それなのに、顔のない真犯人や元検事ハン・チョルホが暴走を始め、まるでスピンオフみたいに、それまでの流れがガラッと変わる。

そして、とってもつまんなくなる。

そう、一度目は、このあたりでリタイアしちゃったんだろう。

 

主人公のカン・チョルが劇中何度も言ってたけど、「脈絡がないストーリー」が本ドラマのカギだ。

漫画の世界のキャラクターたちが自分の存在理由に疑問を感じ始めると、もうストーリーなんてどうでもいいってくらいに、なんでもありな、まさに"漫画な"展開になっていく。

真犯人の異様さも、ハン・チョルホの異常な執念も、まるで理解できない。

漫画の世界で1話終わるごとに暗転して現実に引き戻され、現実の世界では「漫画」となってウェブ上にアップされていく。

漫画作家オ・ソンムは、自分の意思と裏腹に漫画がアップされていくことに危機感を覚え、「怪物を作ってしまった」とカン・チョル殺しを諮るが、怪物はカン・チョルではなく、実は怪物=真犯人と同一化してしまった自分だったというオチ。

 

この脈絡のないストーリーがドラマ大賞で評価されたというのも謎だけど、イ・ジョンソクの大賞受賞のコメントを見るに他の受賞者と比べて、あまりにもテンションが低くて、過去、「ピノキオ」や「君の声が聞こえる」などのメッセージ性の高いドラマに出演していたジョンソク君自身、このドラマの内容に納得していなかったのかなとも感じた。

だけど、本作は最悪な?ストーリーだったにもかかわらず、キャラクターのインパクトが凄く高くて、特に主人公カン・チョルのカッコよさは尋常ではなかった。

 

中盤の暴走と並行して進んでいた甘いロマンスの数々におそらく世の女性たちはメロメロになったんじゃないか。

最終回でどんな幕引きをするのか、もうそんなことはどうでもよくて、ただ、カッコイイ「カン・チョル」をいつまでも見ていたかったというのが正直な感想。

見終わってしまって、カン・チョルロスになった。

 

●hito基準による評価(10点満点)

泣き基準1(3点満点)

没頭度1(2点満点)

爽快感1

脱力感1

ストーリー0

胸きゅん度1

メッセージ性0

5点