YOSHI DESIGN

YOSHI DESIGN

design art jazz movie kabuki fashion



小林薫 主演の映画版「深夜食堂」です。

秋の夜長、ほっこり泣きたくなったら、このドラマですよ。



誰かが店に忘れて行った骨壷。

半年も引き取りてがありません。

と明日は供養してもらおうと、その前夜にいきなりお酒をかけてしまう男。



蓋を開けてみると中は骨ではなく、砂が入っているだけ。



みんなが驚いていると

その男(東日本大震災で被災している)が砂を握りしめて

「俺にはこいつを置いていった奴の気持ちが分かる・・・」と

泣かせる長セリフが続きます。















その男のセリフを店の裏で聞きながら

ボランティアをしていた彼女も

思わず嗚咽がこぼれてしまいます。

あぁ、泣けてくる。




とお寺さんでの供養が終わったその夜に

骨壷の主(田中裕子さん)が謝罪に現れます。


壺の砂の理由も含めて

笑わせながら泣かせるといった

田中裕子さんの名演技が披露されます。

いやいやなんという演出。

またまた涙が止まりません。


涙の質が上がってまいります。




東京ステーションギャラリー(丸の内)にて

ジャン・ミッシェル・フォロンのイラストレーション

「空想旅行案内人」を見た。



ベルギー出身のイラストレーター。



雑誌「ニューヨーカー」の表紙などやポスターなどが有名で

シンプルで洒脱なグラフィックデザインが魅力だ。



リトルハットマンというキャラクターが

空想旅行の案内人となって旅に出て行きます。

トランクにつめた景色が旅の時間を表して

今の景色と重ねた時間の二重性が面白い。



水を含ませた水彩用紙にカラーインクでもって滲ませる技法による

淡く澄んだ色彩が

透明感のある詩情性を生んでいる。



「世界人権宣言」表紙 原画(1988)



各条文から「意見及び表現の自由に対する権利」

(言いたい、知りたい、伝えたい)のための挿絵原画(1988)



激鉄の先に目隠しをされた人物を描き

個人の意見が弾圧されている現実を表現している。



「世界人権宣言」第3条

(安心して暮らす)のための挿絵原画(1988)



「世界人権宣言」第5条

(拷問はやめろ)のための挿絵原画(1988)



理想から離れている現実の状況

この共通な問題に対して高度な感覚を持っている。とのキャプションがあった。

強いメッセージを描くとその主張に

表現が引っ張られてアクが強くなりがちだけど

フォロンの作品にはそれがなく

彼の詩情性が損なわれることがない。

これが「高度な感覚」なのだろう。



画像がなかったので

つたないうろ覚え画で申し訳ないのですが

こんな感じの

オリンピックのポスターが印象に残っていました。

溺れている5人の手だけが水面から現れて

それを救うために5つの浮き輪を渡そうとしている構図で

溺れている5人も、救助の5つの浮き輪も

5大陸を表す5輪の色です。

平和の祭典と言いながら

なかなか理想に至らないオリンピックゲームの現実。

アイコンとしての五輪の輪が

平和の機能を動かせと言っているポスターだ。


引用写真:NHK Eテレ「アートシーン』より



        それぞれの 空の青さよ 敬老日


初台の東京オペラシティ アートギャラリーにて

「高田賢三 夢をかける」を見に行った。



KENZOといえば民族衣装(フォークロア)のイメージだけど

こうして体系的に見ると、

一過性なモードとは違いますね。



カラフルな色彩と民族パターンが重なり合っていてる。

そのしつこく成りがちな組み合わせも、

洗練された楽しさにしまうのが、デザインの力だな。



アイデアスケッチも見る楽しさがあって

鑑賞に耐えられる制作プラン図だ。

製作者にとってもイメージがふくらむのがいいね。



花嫁衣装です。

祝福と祈りに満ちたデザインが素敵です。


各国の文化をデザインに取り入れていく姿勢は

自然とボーダーレスやジェンダーレスの価値を

作り上げていった感じです。

それって高田賢三さんの笑顔と謙虚さなんだね。



高田賢三さん(右側)のファッションに注目です。

ニットにジーンズというシンプルな装いがいいですね。

レザーのローファーにカラーソックスというのがキモで

80年代のパリで流行ったフレンチ・アイビーでありますよ。


PHOTO:GETTY IMAGES


先月お亡くなりになったアラン・ドロンさん。

1965年のスーツスタイルだ。

アメリカやイギリスのトラディショナルなスタイルと違って

フレンチシックな雰囲気がエレガンスです。

パッと目につくのが、上着の襟の形だ。

上襟と下襟の境目の開きがパッカと開いていますね。

その開きが魚の口のようなので「フィッシュマウス」と呼ばれている襟の型で

フランスのテーラリングを象徴するデザインなんですね。

ちょっと目につくところが「あざとい」感じがしなくも無いですが

「あざとい女」のことをコケットな女と言ってしまいながら

美意識にしてしまうのがフランス人の感性なので

この「フィッシュマウス」も、コケットな男性版のように見えてきますね。


セレ デ ゴンス デラ モダン(それは現代のエレガンスだ)なんてね。



      夏灯し 恋(おも)う作法で 追いかけて


       向日葵や 知らぬフリして 振り向かず


      神輿担ぎの良し悪しのポイントは

      リズムに乗っているかぁ〜 であります。

      その見極めかたは、神輿の四隅にある「鈴」!

      この4つの「鈴」が飾り紐に当たって、ポーン、ポーンと

      跳ね返りながら、シャン、シャンと鳴っているのが

      GOOD!であります。

      耳触りも良いし、見た目もかっこいいですね。

      その担ぎ手の足元を見てみると、全員が同じリズムで

      ヒザのバネを使っているのがわかりますよ。

      このリズムとステップが乗っていると

      「鈴」が元気よく跳ねかえってくれるんだね。

      こんどお祭りで神輿を見たら「鈴」をチェックしてみてください。

      4つの「鈴」が鳴っていたら、

      「ん〜、なかなかやるなぁ〜」と思ってあげましょう。


      神輿は運ぶのではなく、担ぐのだ ということが見えてきますよ。

      どっこい ♪  どっこい ♪

      


         生き生きと 走る影かな 初夏の路

      眠る間も 開いています  春の色