人事部員の日記 -363ページ目

読売ジャイアンツから株式投資への教訓

楽天のメルマガからの引用・・・

プロ野球のシーズンが始まった。

セントラル・リーグの開幕以来、読売ジャイアンツが不調だ。


ペナントレースは始まったばかりだから、少々負けが込んでも挽回が効くが、不調として本当に深刻なのは読売ジャイアンツの人気だ。開幕戦のテレビ視聴率(関東地区、平均)は何と11.0%と、最低だった昨年の13.1%をも大きく下回った。

ジャイアンツの人気低迷の原因は何なのか。株式投資でも人気は重要だ。一つには、読売ジャイアンツの人気が、米国のメジャー・リーグに喰われたと思う。ジャイアンツは、かつて全国ネットのテレビ放映のおかげで全国にファンがいる、言わば「全国区」のプロ野球チームだった。多くの日本国民がジャイアンツに関心を持った結果、同チームがあたかも日本のプロ野球の中心であるかのような様相を呈した時期もあったが、野茂英雄選手が挑戦の道を拓いてから、イチロー、松井、松坂など日本のプロ野球の超一流選手がメジャー・リーグに移籍したこともあり、日本国民の関心が、米国のメジャー・リーグでの日本選手の活躍に移り、テレビの放映やニュースでの報道も増えた。彼らの世界最高峰への挑戦は、商品として強い魅力を持っていた。

ビジネスとしての読売ジャイアンツの「マーケット」が、広い「全国区」ではあっても、顧客にとっていささか受動的な「浅い」ものであったために、米国のメジャー・リーグと競合し、これに敗れたのだ。

コミュニケーションや輸送手段の発達で、広い範囲(極端な場合は地球全体)が一つのマーケットとなり、激しい競争が行われるために、「ウィナー・テイク・オール(一人勝ち)」と呼ばれる現象が起こりやすくなっている。具体的なチーム名は挙げないが、地域密着型の「狭くても、深い」マーケットに根ざしたチームは、人気面でも、経営面でも、まずまずの成功を収めているように見える。株式投資にあっても、企業やその製品(サービス)を評価する場合には、その企業・製品が直面しているマーケットと競合の構造をよく見る必要がある。

読売ジャイアンツの人気低落をもたらしているもう一つの要因は、他チームの四番打者やエース級の選手を引き抜く、補強によるチーム作りによって、ファンが、ジャイアンツの選手に感情移入をしにくくなったことがあると、筆者は思っている。

独断を承知で言うと、スポーツのファンを感動させ、選手に感情移入させるのは、人間の「成長」か「逆転」の物語だ。ファンは、自分が注目した選手がさまざまなチャレンジを経てレベルアップする様を見て満足し、挫折したり衰えたりしたと思われた選手が復活する物語に勇気づけられる。しかし、他チームで選手としてのピークの力を発揮した選手を集めると、ファンは、こうした選手に「成長」も「逆転」も投影できない。

たぶん、チームのスポンサーであり実質的な経営者でもある読売新聞社がプロ・スポーツという商品の性格を正しく理解していなかったことに、今日の、読売ジャイアンツのビジネス的低迷の原因があると、筆者は思う。

株式投資で「成長」は利益予想の連続的上方修正に相当し、投資家の大いに好むところだし、赤字が黒字転換するような「逆転」も株価には大きなプラスのインパクトがある。これに対して、業績・人気両面でピーク圏にある「グラマー・ストック」(時価総額の大きい人気株のこと)は、よほど良い結果を出し続けないと、株価面で投資家の期待に応え続けることが困難だ。

株式投資にあって、今のところ、読売ジャイアンツは雄弁な反面教師なのである。