あけましておめでとうございます。


年末年始は公私ともにバタバタとしておりチェルシーの話も年を跨いでしまいました。


気がついたらもう1ヶ月経ちますね。


さすがにあの時の感動を忘れそうなので急いでペンを執っております。


まぁ、実際にはペンは執っておりませんが。


それでは続きをどうぞ。





「チェルシーの悪夢」



チェルシーチェインを登れた僕はさっそくSDSに挑戦した。


先輩方の見様見真似でヒールフックを掛け、右手はカチピンチ、左は浅いポケットに手を掛けていざ参らん!





いや、浮けないんですけど。


本当に1ミリも浮けなかった。


アドバイスを貰って何度も取り付いたが結局その日は一度も離陸出来なかった。


正直気持ち的には完登まではないものの、惜しいとこまではいけるんじゃないかと思っていただけにめちゃくちゃ凹んだ。


それから何度もSDSに挑んでは浮けずに敗退、挑んでは浮けずに敗退を繰り返して僕はこう考えた。




俺はチェルシーチェインをやめるぞぉーーー!!




戦略的撤退である。


自分にはまだレベルが追いついてないと分からせられたので、一旦他の課題でレベルを上げてからまた挑戦しよう。


決して逃げた訳ではない。


戦略的撤退である。


大事なことなので2回言いました。




そして時は流れ




サラリーマンを辞め、クライミングジムで働き、独立してジムを開くなどなんやかんやしてるうちに7年が経っていた。


一緒にセッションしていた仲間はみんなSDSを登ってしまった。


しかし僕も地道に初段、初二段とグレードを上げていった。


そろそろいけるだろう。




そして決戦の時。




チェルシーよ、私は帰って来た!!



満を持して7年振りにスタートに取り付く。







いや、浮けないんですけど。


1ミリも浮けないんですけど。


7年前と何も変わってないんですけど。


さすがにこれはおかしい。


保持力は他の完登者とそこまで差はないはず。


これは何かコツやポジションがあるなと思考回路を切り替えて、一緒に来てくれたウッチーさんにこと細かく教えて貰ってトライする。


しかし、その日僕が離陸することはなかった。



1週間後。



今度はほりりんにムーブを教えて貰う。


足をここにこう。


ほんまかいな。







浮っけったーーーー!!






足の置き場所だけで安定して離陸出来るようになった。


そのおかげで一手目も取れた。


サンキューほりりん。


きたきた。


いける。


ここからが核心の一手。


ほりりんの真似をして飛び出してみるが距離が出ない。


何度飛び出しても届かない。


バラしてやってもいまひとつ決定打が出ない。


悔しい。


ここさえ解決すれば登れるのに。


気持ちでは登れてるのに。


だけど無常にもこの日はここで時間切れ。




という訳で続きはまた次回。


そろそろ決着が着きそうな予感がします。


もうしばらくお付き合いくださいませ。




大好評てんちょーを探せ。


今回は難易度高いです。