みんなボクと握手
最近、ピョン吉は時々オイラとカミさんの手をとり、握手させる。「仲良くしなさい」と。子供は寝ている間も周りで起こった事を少なからず理解しているんじゃなかろうか?うっすらと聞こえた言葉、口調…それが何について話していたのか?、実際に起こった事なのか夢の中なのか?そんな事わからなくったって何が大切なのかはちゃんと分かってる。
大人は、討論は好きだが、子供のように本能的に状況を把握する能力は低い。退化したか、もしくは変な理性が働いている。まったくもって鈍感で不便なのは大人の方なのだ。
我々夫婦は何回かピョン吉が寝静まった後、将来について話し合っている。それは将来の夢とか希望とかそういうのとは違い(含まれてもいるけど)、もっと現実的なこと。ローンの事とか、教育費の事とか、家族計画の事とか…いつも時間切れで最終結論まで至らないのだが、夫婦なので歯に衣着せぬというか、お互いの考えをぶつけ合う。
…それをピョン吉は「寝ながら聞いてる」んじゃなかろうか?なんとなくピョン吉の耳に、脳に入ってるんじゃなかろうか?だって握手させるようになったの、討論が激化してからだもの。
べつに大きな声を出したりはしていない。ピョン吉もぐっすりと寝たままだ。でも彼は聞いている。すまんかった。仲良くします。でもね、オイラ達べつにケンカしてるわけじゃないのよー。
ピョン吉はオイラとカミさんを握手させたあと、自分とも握手しろとせがむ。家族3人で握手する。ピョン吉は満足げに満面の笑みをうかべる。