とにかく赤ちゃんを助けて!!
心で思っていた言葉が泣きながら口から出ていました。
降りてきてるのは、子宮口付近にいた
亡くなった方の子だとわかっていました。

なんとか内診台に上がると
助産師さんが
「先生、もう見えてます」
と言っていました。

先生が慌てて処置の用意をして、
別の助産師さんが私の腕に点滴の針を刺し
張り止めの点滴をつなぎ始めています。
上にいる元気な子の心音モニターを見るために腹部にベルトも巻きました。

その間10分ほど。
腹痛はありません。

私が腹痛を感じ始めてから1時間40分後。
膣の違和感が増大したと思ったら
グッと何かが出たのがわかりました。

下では助産師さんが手で受けてくれていて
すぐに防水シートでくるみ、連れて行ってしまいました。
その方はすぐに帰ってきてくれて
「キレイな顔で産まれましたよー」
と教えてくれました。

4時41分。
双子のうちの1人が誕生した時間。
そして同時に、死産した時間です。

その時、足元には別のドクターが増えていました。
この先生、すごい怖い人に見えたのですが
実はめっちゃいい人…。
私の状態を見て話をしていました。
上の子が降りてくる様子はなく、腹部の張りも治まっている状態。

かなりの珍しいケースのようで

すぐに出さなくていいのか
このまま妊娠継続して大丈夫なのか
こういうケースは他にあるのか
など話ていました。

状態安定したところで処置室のようなところに移動して、今できる処置がされました。

生まれてしまった子の胎盤が残っているので、それを簡単に縫合。
残った子がすぐに生まれる可能性もあり、呼吸器の成熟を促すためにステロイド注射が打たれました。
また身体を動かさないように尿道カテーテルが入れられます。
点滴は張り止めと同時に、感染予防の抗生剤が入ることになりました。

今できる処置が終わり、
病室へ移動になりました。
私の心理的なことや、今後が想定できないことも含めて
個室に入らせてもらえたのは本当にありがたかったです。

心音モニターを装着して
絶対安静の指示が出ました。
落ちついた頃処置してくれたドクター(後から来てくれた方で、どうやらセンター長)が部屋に来て説明をしてくれました。
「とにかくこれからどうなるか、という説明が難しいです。かなり珍しいケースなので…。
とにかく48時間もたせて、ステロイド注射を一日に1本。計2本打って、いつ産まれてもいいように呼吸器の成熟を促すことが第一目標です」
ということでした。

その後はまた考えましょう、と。

落ち着いたころには7時になっていました。