ジャイアン「なら…死ね…」


N君「頼む!それだけは!!」


ジャイアンはN君を片手で気に接したまま押し上げて


もう片手でN君が投げつけていたであろう石を握り締めた


意思を握った手を大きく振り上げた後は血が飛び散るばかりであった


N君の顔の左半分がぐちゃぐちゃになってしまった


既に死んでいた


ジャイアンはN君を心なしに捨てる


もうクラスのみんなは負けを悟り


腰を抜かしてその様子を見ているしかない


中には震えている子もいた


これがジャイアンによる「抵抗の不可能」を逸脱しかけた者たちへの「見せしめ」だったのだろう


彼は、彼こそが執行人であり次の逸脱者に裁きをいつでもかけられるのである


ジャイアンのこの日の出来事は生き残ったクラスメイトの心の中にしか残っていない


しかし、誰も言えはしない…逸脱すれば死なのだから





続く…
クラスのみんながジャイアンを囲んで石やエアガンを打ちつけた


協奏曲のように音は重なり合った


血みどろのジャイアンは目に付いたS君に向かって突進して行き、突き倒した


たまたま、背中を向けていたので太い腕を首に入れ込み


もう片腕で固定して残りの力の全てを使い


さっきまで暴力を楽しんでいたS君の息の根を止めた


と同時に首の骨を折り、恐ろしい音を響かせた


ジャイアンはゆっくり腕を緩め立ち上がった


S君の身体は下を向いているのに顔は星を見ていた


時間が止まっているかのようにS君の目は見開き


表情を一切変えることはなかった


残りのクラスのみんなは一瞬、唖然となったが攻撃を始めた


しかし、ジャイアンの目は人間を超越していた


何をも恐れぬその目


目で殺すとはこのことかと思うくらいに鋭い目


クラスの半分はひるみだした


だけど、N君は石を投げ続けていた


ジャイアンの後頭部に確かに当たるが倒れない


N君に一歩一歩ゆっくり歩み寄った


そして首をつかんでN君を近くに立っている木に押し付けた


N君「悪かった、許してくれ!なんでもするから許してくれ!お願いだ…」


ジャイアンは目を緩めてかすかに微笑んだ




続く…
激痛と共に目が覚めた、病院なのだろうか


それならば、ナチスドイツは崩壊したのだろう


ここは天国のはず、拷問に耐えた私の勝ちだ


しかし、辺りは病室にこぼれる光の温もりとは反対に薄暗く、少し肌寒い


スネ夫「放課後は教室ではやりにくい…先生の見回りがあるからな…」


実は、スネ夫によって車で運ばれ裏山に来ていたのだ


しかもクラスのみんながいる


クラス会はまだ続いていたのである


なんと残酷な奴らなのだろう


皆が息が乱れるほどに殴り、蹴っていたのに飽きもしないのだろうか


喜びには限りがあるというのに悪の前では無限となってしまうのか


そんなことを思っているとまた、拳がみぞおちに埋もれた


全身の力は一瞬にしてなくなり湿った地面に倒れ落ちた


顔の右半分が少しの土で汚れる


ジャイアンにとってこの汚れは彼らの暴力に比べればまだ『優しさ』を感じた


静かに流れた涙と土が混ざり泥となった


汚れは暴力がまだ続くことを感じさせ実際、暴力は続くのであった


一時間が過ぎた…


それでも裏山からは鈍い音が星の数ほどに聞こえてくる


横目で見上げたその流星群は希望も夢も感じさせてはくれなかった


恒星の多くは悲しげに暗闇で存在証明だけのために光を放つのか


星は何百光年、何千年光年と前に放たれた光


ジャイアンを勇気付けることなど出来るはずが無い


それに放たれた光は誰のためも無く進むだけなのだから


それを人間は「照らす」と言ったりして光に機能を見出すのだ


彼は急に立ち上がった、何を悟ったのか全くわからない


スネ夫「これだけ傷を負っているのに立ち上がれるとは…」


出来杉「みんなでもう一度、立てなくしてやろう!」




続く…