こんばんは。

 

 人物、カルチャー、女性の生き方を探究しているライターの芳麗です。

 

 突然ですが、皆さんは自己啓発本はお好きですか?

 

 私は自己啓発本って、嫌いとは言い切れないし、稀に好きな本もあるけれど、何だかちょっとモヤモヤを抱いてしまうものの1つです。

 

 世に出回る書籍などの読み物は、自己啓発書の他に、実用書、ビジネス本、文学書など、多種多様。
 
 自己啓発よりの実用書とか、実用書よりのエッセイみたいに、どのジャンルとは言い切れない本もたくさんありますから、一概にはいえません。
 
 たとえば、私がエッセイやコラムを書く時も、どこかに自己啓発的な要素もきっと入ってくると思います。
 
 でも、あからさまな自己啓発本はやっぱり苦手。
 
 何で苦手なんだろうと考えていた最中、「あ、これだ」と思った考え方がありました。
 
 映画「カメラを止めるな」の上田監督のインタビューです。
 
 
 映画を愛し、映画監督を志して作品を作り続けたものの、全く売れずに1度はホームレスまで経験した上田監督は、底辺でもがきながら、ある悟りを得ます。
 
 以下、少し引用しますね。
 

「ぼくもいろんな自己啓発本を読んで「死ぬこと以外はかすり傷」みたいな言葉を見て、奮起していました。

 でも、補足しておきたいのは、そういう言葉はすごくいいなと思う反面、危険な一面もあると思っています。

 一時期はその言葉で火照ることができるかもしれないですけど、それを続けられるような「仕組み」を自分に作らないと続かないと思うんです。

 

 つまり、自己啓発本は口あたりのいいスイーツかその場だけの元気をくれる栄養ドリンクみたいなもの。現実を動かすには、自力で行動して傷ついてフィードバックを取らないとダメだということ。

 

 そうそう。自己啓発本を読むことの効果って実は薄いんですよね。

 

 私は根っこがぐうたらでコンプレックスの多い人間なので(当社比)、少女時代からたくさんの自己啓発本を読んできましたが…… あんまり変わらなかったんですよね。すんなり読めて、ちょっと元気にはなるけど(笑)、ただそれだけ。

 

 現実を変えてくれたり、自分に影響を及ぼしてくれたのは、魂が震える感動をくれた文芸だったり、新しい視点や示唆をくれる哲学書だったり、有益な実用書でした。

 

 ちなみに、上田監督は、現実を変える行動の1つとして、「ブログを書くこと」を挙げています。

 

「大切なのは、そういうメンタルを続けられるような「仕組み」をつくることだと思います。ぼくの場合はそれがブログだった。

 ブログに自分の失敗を書いて、それを見ている人に楽しんでもらう、という「使命」を自分でつくっていました。ただ単に「失敗を集めよう」とか「失敗したらそれを喜ぼう」というだけじゃ精神は持たない。それを自分の生活の中に仕組み化する。それがうまくいくコツなんだと思います」

 

 
 めっちゃ素敵なことをおっしゃっている!
 
 この箇所以外でも、いろいろとぐっとくる言葉の多いインタビューですが……
 
  
 とりあえず大量に失敗した上での成功じゃないと「強度の高い成功」とは言えない
 
 
 後半のこの辺りのくだりには、“カメ止め”のファンとしても何だかぐっときました。
 
 まぁ、このインタビュー自体が自己啓発的といえば自己啓発的ですが、初めから自己啓発だけを目的に作られた文書と、結果、自己の啓発につながる他の読み物は、また別物だなと思います。
 
 その人の生き様が反映されている言葉に心が動かされ、結果、自己も啓発されるっていうのは幸せだし、素晴らしいことだなと!
 
 読み手としても書き手としても思います。
 
 そういえば、先日、尊敬する年下の物書きの友人が、
 
「わたしは自己を啓発するのは好きだけど、自己啓発本は嫌い!」
 
と、言っていて、何だか納得。
 
 私も自己啓発本には少し苦手意識があるけれど、自己を啓発するのは好きだし、誰かの心を啓発するようなものが書けたらなと思います。
 

 

 

追伸:写真は今朝の薔薇。猛暑でも一輪、咲いてくれましたピンク薔薇