こんばんは。
人物、カルチャー、女性の生き方について探究し続けているライターの芳麗です。
雑誌「and GIRL」にて連載している、「芳麗の女と文化の話café」より。
WEBでも読める記事のアーカイヴ紹介です。
今回は、女優の蒼井優さんと映画監督のタナダユキさんと対話した時のもの。
ちなみに、蒼井優さんと私は、3年ほど雑誌連載をご一緒していて、それは一冊の書籍 にもなりました。
役者さんとしても敬愛していますが、その人間味の深さ、面白さを愛してやみません。
(彼女について語り出したら、とても長くなるので、今回はここでやめておきます)
タナダ監督は、映画も小説も、その人間のおかしみを捉える視点が魅力的で、もっとロングインタビューしてみたいし、本業以外のこともお話し聞いてみたい人の1人。
テーマは、おふたりがタッグを組んだ映画「ロマンスドール」と絡めて、
“夫婦について”です。
インタビュー時は、蒼井さんが結婚して1年も経たない頃だったのですが、その洞察力と思考力で、結婚というものを興味深く捉えて語っていて、とても面白かったです。
印象的な話はたくさんありましたが、特に、心に残っているのは、ここのくだりです。
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芳麗 映画の中で、「ママゴトみたいな結婚生活をして」という哲雄の独白がありますよね。あれは納得というか、刺さりました。私は、夫とは無邪気に何でも話せる関係性ですけど。結婚というもの自体は、どこかママゴトっぽいなとも感じます。プレイじみでいるというか。
タナダ 結局、その夫婦同士でしか築けないものがあって、それは本人たちにしかわからないものですけど。周囲からは、イメージとしての夫婦像を漠然と持たれているのかなと。「普通の家庭」とか言いますけど、普通ってないですよね。してみないとわからないし、やはり、それぞれの形や中身があるだろうし。
蒼井 ある先輩夫婦がおっしゃっていたんですけど、「夫婦っていうのは、〝ごっこ〟だから」と。奥さんのことをいちばん好きだと思い込み続けていればいい。実際にそうかどうかはどうでもよくてと、奥様の前でお話されていて、奥様は苦笑していらしたけど(笑)。なるほどなと。
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夫婦とは?
考えれば、考えるほど、不思議な関係性ですよね。
血の繋がっていない他人なのに、誰よりも身近にいて、家庭生活を営み続けている。
子供がいても、いなくても、いつかは2人に戻る。
死ぬときまで最後に一緒にいることになる存在。
(意思を持って別れない限りは)
雨の日の晴れの日も、関係性が良い時期も、あまり良くない時期も。
絆があろうと、あるまいと。
とにかく、一緒に生活し続けることで、日々を積み重ねることで、
それぞれが勝手に影響を受け合って、新しい生き物になっていく感じ。
そして、夫婦という1つの物体にもなっていく感覚。
それが、とても不思議で面白いなと思うのです。
(私もまた3年目ですけど)
蒼井さんとタナダ監督との対話は、ぜひ、WEBにて全文 を読んで欲しいです。
それから、映画「ロマンスドール」
も、何とも言えない複雑で良い味のする、美しい映画です。
改めて語りたいほど素敵な映画なので、ぜひ観てみてくださいね。
ひとり言:この取材は、今から10か月前くらい、去年の秋口の行われたのですが……この時の私、だいぶ夏太りしているなぁ。