こんばんは。

 

 人物、カルチャー、女性の生き方を探究し続けているライターの芳麗です。

 

 壇蜜さんは、ここ数年の間に、私が初めてインタビューした方々の中でも屈指の魅力的な方でした。

 

 まず、壇蜜さんが語る言葉選びが面白いのは、多くの人がご存知だと思いますが……

 

 あのユニークな語り口の根底には、自分を俯瞰で見つめる透徹な視点と美意識があり。

 

 さらに、「こうありたい自分」を実現するために、地味な日常を積み重ねて、徹底的にストイックに自分を律するという行動(生き方)がある。

 

 だから、壇蜜さんの言葉には説得力と魅力があるし、単なる面白くてセクシーなお姉さんではないのだと、お目にかかってひしひしと感じました。

 

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 そんな壇蜜さんが先日、「婦人公論」で語られていた結婚観も興味深く。

 

 

 

 

 尊敬の念を抱くとともに、至極、共感しました。

 

 昨年11月に漫画家の清野とおるさんとご結婚された、壇蜜さん。

 

 インタビューでは自らの結婚の経緯と決断の理由について問われて……語ります。

 

 もともと「子供が欲しいとか、安定した暮らしがしたい」という願望が薄かった壇蜜さんは、「結婚しよう」と言う清野さん向かって、最初は「する意味ってあるのかな?」と返答。

 

 それでも、彼に「今、一緒にいて楽しいから、これを維持するために結婚しよう」「楽しいことや心地よいことは長続きしにくいから、半同棲のまま付き合っているよりも、結婚すれば現状を維持するための強い土台になる」と言われて、それならと決意を固めます。

 

(清野さんも、明快でかっこいい)

 

 私も、40代半ばで結婚したとき、「なぜ結婚したのか?」と散々問われました。

 

 「この人は、このまま独身でいくだろう」と周囲に思われていたからでしょう。

 

 実際、私自身、「なぜ、結婚するのか」が長い間、わかりませんでした。

 

 結婚前、結婚願望について聞かれると、

 

「一緒に生きていける人は欲しいけど、結婚という形が欲しいわけじゃない」と(めんどくさい感じで)答えていたのもあると思います。

 

 要するに、結婚という「形」をあまり信じていなかったんです。

(育った環境もあるのかな)

 

 でも、紆余曲折あって、最終的に夫となる彼と出会って付き合ううちに、この人となら結婚という形(契約)にハマってみるのもいいなと思うようになりました。

 

 壇蜜さん(と清野さん)の感覚とは少し違うと思いますが……

 

 心からの信頼が持てて、リラックス楽しく過ごせる彼との現状を維持したいし、もっと2人の生活や人生を深めてみたい!

 

 それには、形や契約があっても(あったほうが)いいのではないかと思ったから。

 

 若かりし日の私は、「形(契約)がなくとも、維持できる関係こそが至高の愛である」と思っている節がありましたが……(ある意味、ロマンティック?!)

 

 経験を重ねて、形を持たない関係を維持することの難しさを身を持って知ったし(笑)。

 2人の関係において、形を持つことは、堅苦しいことでもなければ、愛と信頼を揺らがせたり、濁したりするものではないと思うようになったからです。

 

 私の場合、最後は、直感的に決断しました。

 

(決断とは、考え抜いた末の直感だなと。この話はもっと深めて伝えたい。)

 

 思慮深いと言うより、単に頭でっかちでめんどくさい女なんですけど、でも頭でっかちなり考えぬいて、「コレしかない!」と直感的に思い切れた時の決断は、最高に清々しく幸福なものです。

 

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 もう1つの壇蜜さんが結婚を決断した理由も、印象的でした。

 

「とりあえず40歳まで生きろ」が壇蜜さん家の家訓だったけれど、39歳になった時、「40歳以降もちゃんと生きられそう」と言う見込みが立ったから、であると。

 

 彼女の語る「ちゃんと生きられる」の意味は、経済的・精神的に自立して生きられるということ。

 

 曰く、

 

 男性に頼って生きていける女性は、それも才能であり、否定しないけれど…… 

 自分は、「ひとりで生きられないから結婚するのではなく、

自分ひとりでも生きられる自信がついたから、誰かと一緒にいられるようになった」と。

 

 私もずっとそう思っていました。

 

 壇蜜さんのように潔さや強さと言うよりは、至極、怖がりだから、そう思った。

 

「自分で立てないのに、信頼できるかわからない人に、人生預けられないよ」

 

 と思っていたんですよね。

 

 怖がりなせいで、結婚という賭けにはなかなか踏み出せず、何とか自分の足で立てるようになるまでは、1人で生き抜いてきました。

 

 でも思えば、そのおかげで、貴重で面白い独身時代を長く楽しめたし、2人を生きている今はさらに楽しい。

 

 どのみち選んでも、この先も悩みは尽きないし、後悔することはゼロじゃないだろうけど…… 

 

 人生において、流れのままに悩まずに何となく決断するよりも、自力で考え抜いた末に思い切って決断していく方が、無駄な悔いは残らないのかなと思います。