先日、友人がSNSでシェアしていた記事を興味深く、でも、ちょっぴり「またか」という気持ちで読みました。

 

アラフォー女性の"年下婚活"が超非効率なワケ

 

 

 

 

「マッチングアプリで婚活しても、良い人に出会えない」と嘆く、アラフォー女性たちに向けて、作家の橘玲さんがその理由を解説するというものです。実は昨年の記事なのですが、一読して最初に思ったのは、昨年どころか10年前もコロナ禍の今年も、婚活市場は何ら変わらないんだなということ。

 

「アラフォー女性は、相手として自分のプラスマイナス5歳の男性を求めるものの、全くうまくいかない。なぜなら、男性はいくつになっても20代の女性が好きだから」というような内容が冒頭から書かれているのですが……

 

「男性は20代の女性が好き」とは、婚活経験があってもなくても昔から刷り込まれている情報ですし、大人の女性なら実際に体感したことがある人も多いですよね。

 

 長らく婚活市場を取材&観察してきた身としては、マッチングアプリであろうと、婚活パーティーであろうと、積極的に婚活市場にいる男性は若い女性を好む確率はやはり高い。

  ただ、ポイントは、誰もが若い女性が好きなわけではないということ。

 

 もちろん、一般論として「20代女性が好きな男性は多い」という統計は昔から各所で繰り返し発表されていますが、世間で言われるほど、若さ至上主義な男性ばかりではないかなと。男性一般の統計よりも、婚活市場(=相談所、アプリなどを使っている)に身を置く男性たちに限定した統計の方が、若い女性が好きな確率がかなり高いと感じます。

 

 婚活市場にいる男性は、「結婚」を目的として婚活に励んでいる人たち。だから、その目的(子供を持つなど、己の多種多様な欲望)を叶えてくれる女性を結婚相手に選びたいと思うのでしょう。言い換えれば、「好きな人ができたから結婚したい」ではなくて「結婚がしたいから相手を探す」という順番あれば、若さを含め、条件で相手を選びたくなるのは自然なことなのかなと。男性のみならず、女性も同じですよね。

 

 たしかに、私の周辺に取材してみても、婚活アプリなど婚活市場で相手を探している30代後半〜40代あたりの女性は「年齢で振るい落とされてしまう」「申し込みをくれるのは10歳以上年上の人ばかり」と嘆く人が多々。もちろん、女性側も相手を条件のみで選んでいたり、振るいにかけたりしているんですけどね。(条件しか見るところがないので仕方ない)。

 

 とは言え、アラフォー女性が魅力的なパートナーに出会えないわけじゃない。

 かつて、呪いのように流布されていた、「30代後半以降の独身女性の成婚率は10%以下」なんて、もはや信じがたいものだと思う。

 

 魅力的な同世代や年下の男性と、年齢を問わず相性の良い相手と結ばれている 40代女性は現実にたくさんいますから。

 ただし、その半分以上は、婚活市場ではないところで出会っている印象。仕事とか、友だちの紹介とか、イベントとか、ボランティアとか、趣味の場などなど、普段の生活の中にある自然の場で出会っています。

 アラフォー女性の場合、年齢や年収や条件などを取り払って、「人と人として」出会える場の方が自分をフラットに見てもらえて、好んでもらえるんだろうなと。

 

 婚活アプリも結婚相談所も時代のニーズに即しているし、40代であろうと、50代であろうと、「出会いがない」で苦しんでいるのなら、女も男も活用してみたほうがいいと思います。

 でも、昔も今も結婚市場には、カタログショッピングで買い物するようなドライさが漂っているのもまた現実だし、選ぶと同時に、カタログの商品みたいに自分の選ばれる側であることも受け止めなくてはならない。そして、年齢を重ねた女性にとって、数字などの条件で測られてしまう婚活市場は不利な場であるのはたしか。

 

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 だからね、パートナーを切に求めているものの、婚活がうまくいかないアラフォー以降の女性たちは、ちまたにあふれるネガティブな情報に振り回されて欲しくないですし、幾度かの失敗に落ち込でしまうのは致し方ない……としても、希望は捨てないでほしいなと思うのです。

 

 そこにあるネガティヴな情報は偏ったものかもしれないし、不用意な先人が流布した単なる呪いかもしれない。年齢を重ねてオリジナルな個性を持った女性たちが、画一的なを評価が下されがちな婚活市場において、なかなか評価されないことは、現状ではよくあることですから。(そういう世の中が変わるといいのに、とは思い続けていますが……)

 婚活がうまくいかないからといって、自分に原因があるわけじゃない。 

 

 アラフォー女性が心から満たされるようなパートナーと出会うには、勇気を持って積極婚活市場に参入しつつも、自分の人生を大切に生きながら自然な出会いを求めるという、二刀流で行くのが良いかなと思います。

 婚活市場を体験・冷静に観察することと、普段の生活の中で出会う様々な男性のリアルな生態や心理に触れることはいずれも大切。

 

 婚活は、ドライに戦略的に、でも愛と希望は捨てないで。

 クール頭とホットな心をバランスよく持って、行動し続けることができれば、いずれ願いは叶うはずです。