おはようございます✨✨
今、読んでいる本の一冊はこちら。
金原ひとみさんが、パリに在住していた頃の日々をつづる初のエッセイ集。
何気ない日常も描きながら、彼女の心に映るものは美しくて切なくて……ひたひたと心にしのびよるような筆致。
小さな娘を2人連れて移住したパリの気怠くも美しい風景、夫との断絶や友人の人生の変化に、また孤独を深くする筆者。
人は完全にはわかりあえないことが、わかる。
自分の中にある孤独とは、最後まで付き合っていくものである。
そのことの切なさと色っぽさを、心の奥まで染み込ませてくれるような作品が好き。
20歳で芥川賞を受賞してから、作家として着実に素晴らしい小説を綴ってきた。
金原さんも家族を作り、自己と他者と不器用に付き合いながらも、今日もどこかで日常や人生を生きている。
そのことに、小さく励まされもする。
エッセイも素晴らしい。
夏の夕暮れに手に取る一冊におすすめです。