タイトル見て,あれ?「3」ってなんだっけ?と思った。
改めて調べてみると,第63・64話が同じタイトルだった。そう,インターハイ予選青葉城西戦,山口のサーブ場面でのタイトル。
そして今度はとうとう「本人の実力」で流れを変えることに成功。
ここからの3話は全編を通じて山口が最も輝くところ。
和久谷南戦の試合後,山口は一年生の皆に「便所行ってくる」と言いながら,実は自分の意思で烏養コーチのところに行き,自分が土壇場で「逃げた」ことを正直に話し,覚悟を決めた顔で「もう一回チャンスを下さい」と言っていた。
それにしても,「ウンコ」だの「クソ」だの,日向と影山の会話は幼児並みだな(笑)
乗っている京谷,まだ烏野に主導権を渡さない。強烈なジャンプサーブを澤村が何とか上げるが,松川のダイレクトでまたもや青葉城西の得点。18-23で烏野は青葉城西に対し5点ビハインド。
それでも,「京谷キラー」の田中,ジャンプサーブを完璧に上げ,その後日向がCクイックを決め,青葉城西の流れを切ることに成功。
で,日向に代わり山口がピンチサーバーとして登場。
ここで,コート内の選手全員がそれぞれ山口に声をかけるんだけど,それが全員その人らしい言葉でいい!
何気ないやりとりだけど,こういうところが古舘先生の上手いところ。
日向:山口10点獲れ!!!→言葉が馬鹿っぽいけど気持ちが伝わるいかにも日向らしい言葉
田中:1発行ったれ山口ィー!!→気合と熱意のこもったいかにも田中らしい言葉
東峰:へヘいじょっ平常心だぞっ→一番平常心じゃないのアンタでしょ。いかにも東峰らしい言葉
影山:ナイッサー!→どんな場面でも誰に対しても同じ感じで言うだろうなぁと思わせるいかにも影山らしい言葉
月島:ナイサー→(月島らしい気遣いで?)敢えて山口の方を見ず,さらっと言ういかにも月島らしい言葉
澤村:思いっきり行けよ→和久谷南戦での反省に対する山口への意思確認と気合注入を兼ねたいかにも澤村らしい言葉
よく見ると,字体(フォント),文字の太さ,吹き出しの形等もそれぞれの人やかけた言葉に合わせて工夫して書いている。ここまで意識して見たことなかったけど,細かいところまで気を配っているんだなぁと改めて感動した。
サーブには8秒の猶予があること,作者は本当に上手く描いている。
審判が笛を吹いてから,山口がジャンプフローターサーブを打つためにボールをふわりと投げ上げるまでの小さなコマが間に7つ入っている。そのうち特に最初の2コマで山口が息を吐いてリラックス&集中に努めるところ,6コマ目で審判が山口を見るところ,7コマ目で青葉城西の選手たちが固くなる&待ちきれなくなるところなんて描き方が上手すぎる!
そしてそこから4ページ,山口が打ってから決まるまで,セリフは渡の「アウト!!!」だけ。全体の緊迫感と静寂(コート内外全員の集中)が見事に描かれている。
そして極めつけは,サーブがコート内に弾んだところのコマの描き方。ボールが床に当たった「ドッ」という音でコマ割りしている。皆さん気付きましたか?こんなの普通思いつかないですよね。天才!
決まった後の一瞬の静寂と「うおおっしゃアアアアアアアア」から嶋田のぐっとこぶしを握り締めてのワンテンポ遅れた「よしっ!!」までのそれぞれの喜び方がいい!そこでおそらく嶋田が初めて公式戦でジャンプフローターサーブを決めたであろう場面が描かれているのも。
で,極めつけは誰よりも山口を近くで見ていた月島の「そんなに驚く事じゃないデショ」からの「サーブだけは誰より練習したんだから」
最終ページの山口の締まった表情とその後ろに描かれている青葉城西の横断幕「コートを制す」
これもいい!
いつも思うけど横断幕の言葉とその描き方もホント秀逸ですよね。