大昔の話。

付き合う前の関係に戻りたいと言って、わかったと了承してくれて。

付き合う前の関係に戻れるかと思ったけど、別れた後に1度だけ会いに行った時に、相手はそれを望んでいない(=もう完全に会わないようにしたい)ように感じたから、その後会おうすることはなかった。
向こうから会おうとされることもなかった。

どこかでバッタリ会うことを期待してた時もあった。
でもバッタリ会うことはない内に、私は熊本を離れた。
熊本を離れた後も、帰省の時にバッタリ会えるんじゃないかと思ってたかもしれない。

1度だけ最後に会いに行ったのは、別れて数ヶ月後だったかな。
何を話したのか全然覚えてない。
一つだけ言われた言葉で覚えてるのは「心配」。
路頭に迷いそうに見えたのかな。
それとも荒れそうに見えたのか。
既に荒れてるように見えたのか。
あの頃の私はお金を稼ぐことで頭がいっぱいだったからそれが心配だったのか。
どういう意味の「心配」だったのかはわからない。

別れ話をした時も、どんなことを言ったのかハッキリ覚えてない。
他に好きな人ができたとでも嘘をついたかな。
「もう自分のことは冷めた?」と聞かれたような記憶がある。
本音は「そんなわけない」だったけど、
「うん」とでも言ったのかな。


男女の関係は、いつか終わりが来たら、友人関係には戻れない。
誰がそんなことを決めたんだろう。

連絡はしないほうがいい。
誰がそんな方針を作ったんだろう。

同性だったら、一生友人や昔の知り合いでいられるのに。


きっかけを作ったのは私で、勝手に始まらせて勝手に終わらせた。
きっと、私が、一緒にいたいと望んだから、一緒にいてくれてただけ。

自分のワガママでしかなかった。

多分きっと私のほうの好きのほうが大きかったから、1人で不安になったり、いろいろ考えこんだりして、勝手に離れた。

嫌いになれれば楽だった。
フってくれたり、「冷め」って言ってくれたら、こんなに思い出すこともなく、きっぱり忘れられてたかもしれない。

あの頃の彼はもうどこにもいない。
ちゃんと生きてるとしても、それは私の知らない人。
向こうも今の私は知らない人。

それでも、いつかどこかでバッタリ会って、
同じ時間を一緒に過ごした者同士として、少しだけでも話をしたいと思ってしまう。