加藤清さんの話も4回目になってしまいました。今回は加藤さんの治療において重要な指圧・マッサージについて話してみます。指圧・マッサージでがんが治るのかと言われそうですが、非常に効果があることをお話しします。

 指圧・マッサージをすると、がんが散らばる心配はないのかと言われそうですが、これはがんが治らないと言う立場から出てくる話です。がんは治ることもあると言う立場からすると、指圧・マッサージは幹部の血流良くし、患部を温めてミトコンドリアの活動を助けるのです。

 これは加藤さんが考えた理論ではありません。加藤さんの理論は漢方の理論でしょうから、瘀血を治すと言った考えで、汚れた血をきれいな血に変えれば病気は治ると考えています。

 治療師は指圧・マッサージをしますが、付き添っている人は患部や全身をさすって、患者を励まして血流を改善しているのです。

 私の発がん理論は、がんの発生とがんの発育と言う二つの面から出来上がっています。この両方がないとがんは出来ないと言う理論です。単純な理論ですが、がんを治す時はこの理論が役に立ちます。がんを治す時は二つの面のどちらかを止めればよいのです。

 がんの発生を止めるというのは、がん細胞の分裂増殖を止めるという事です。そしてがんの発育を止めるというのは、がんにエサを与えないという事です。ブドウ糖やタンパク質などをがんが食べられないようにすることです。このどちらでもよいのですが、完全に止めることができれば、がんは成長を止めますから、治ったような感じになります。

 しかし、体の中で起こっている現象ですから、水道の蛇口をしめて水を止めるように簡単には行きません。現実のことを言うと、がんの発生とがんの発育の両方から改善していくしかないのです。

 植物の草花を考えてみてください。種から芽が出て、芽が出ると段々と大きくなっていきます。芽が出る時は土壌に水と温度が必要です。芽が出ると、今度は生育する訳ですが、生育には発芽の時の条件に加えて、日光と肥料が必要になります。草花の成長も発芽と生育の二つに分けることが出来ます。

 がんの発生、発育も草花に似ています。がん細胞の発生は細胞に酸素が足りなくなったと時、又は細胞の温度が下がった時に、ミトコンドリアの働きが悪くなって起こります。正常な細胞の中にがん遺伝子があります。がん遺伝子を使って、酸素を使わないで生きるがん細胞に変えるのです。がん遺伝子は細胞の増殖因子ですから普通に持っています。胎生期には増殖因子を日常的に使っていました。ですから発がんの条件が整えばいつでもがんに成ることはできます。

 がんになると、植物の肥料に相当する栄養分は人体の中に十分ありますから、発育の環境はあるわけです。

 加藤さんが行う指圧・マッサージはがん細胞の分裂増殖を抑えることが出来るのです。指圧・マッサージは全身の血流も患部の血流も改善することができます。血流が改善されると、患部のがん細胞にも酸素が供給されますから、ミトコンドリアが活性化され、がん細胞の分裂増殖が抑制されます。

 また、指圧・マッサージは手を使って行いますから、手のひらのぬくもりが患部の方に伝わります。ミトコンドリアの活性温度は37度ですから、ミトコンドリアが活性化されれば、がん細胞は分裂の力を弱めていくことになります。

 以上の説明で、指圧・マッサージが、がん細胞の分裂増殖に対して、抑制的に働くことが理解できたと思います。

 私も昔、加藤さんが治療をしていた頃は、指圧・マッサージががんに効果があるなんて、まったく思っても見ませんでした。ミトコンドリアについて、いろんなことを知ってから、指圧・マッサージについて、効果があることが理解できるようになったと思っています。

 指圧・マッサージなんて、がんに対して何にも効果が無いように思うでしょうが、このように考えてみれば、何がしかの効果があるのではないかと思われるのではないでしょうか。

 私は加藤さんが治療をしていた頃、粉ミルク断食とマッサージでがんを治していると聞き、変なことをしているなあと思っていました。あまり興味は無かったのですが、気にはなっていました。断食でがんを治すと言うのは少し理解できます。しかし粉ミルクを使うと言うのが理解できませんでした。

 私が不思議に思ったのは、多くのがん患者が集まって来ていたことです。どうしてこんな変な治療にがん患者が集まっているのか。多くの患者が自分の意志で来るのですから、これは効果がある治療をしているのだろうと思いました。でもこんな治療でどうしてがんが治るのだろうか。さっぱりわかりませんでした。

 今考えていることは、ミルク断食はがんの発育を抑制し、指圧・マッサージはがんの発生を抑制しているのではないかという事です。

 長くなったので、指圧・マッサージについては、ここまでにします。次は最後になると思いますが、心の面に触れてみたいと思います。