日本を代表する温泉に関する論客である甘露寺泰雄(中央温泉研究所専務理事)、阿岸祐幸(北海道大学名誉教授)、石川理夫(日本温泉地域学会会長、温泉評論家)の三氏の鼎談をまとめた本です。
温泉の発見に関する伝説、入浴の作法、温泉の効用などに幅広く言及されており、温泉に行ったときに様々なことに目を向けるきっかけを得られると思います。
一番印象に残ったのは、源泉かけ流し信仰に対するご意見でした。
私は、高温の源泉をそのまま入浴できるよう温度を下げるのが難しい場合に加水をするのは必要だと思いますし、本の中にも書かれているように「地下では温度の高いものが地下水と混ざって出てきている。地下で加水されている」ので、温泉に水が加えられるのは自然なことでもあります。
問題は、温泉の成分表示で、現在は源泉の成分が表示されているため、水を加えると成分が変わり、効能も厳密には変わる可能性があることでしょう。
温泉の成分表示は、その温泉の主な特徴を示したもの、と割り切ってよいと思います。
科学的なデータの収集も進められつつありますが、いずれにしても、温泉への入浴が、温泉の持つ効能だけでなく、温泉地での滞在を通じた気分転換なども含めて体によいと実感される方は、私を含め少なくないのではないでしょうか?