良い天気だったね。


まぁ、朝は曇天だったけど、

午後から快晴。


だけど、夜にはにわか雨が降ってきた。



高校の頃だったっけな?


ダチと三人で歩いていた。

学生服で、、、


シトシトと小糠雨が降っていて、

「んだよ、

 何だか中途半端な雨だなぁ、

 こう、、、降るなら降る。降らないなら降らないってはっきりして欲しいよなぁ、」

「うん、確かに、」

「そう、そう、」

と、、、

その直後、


まるでバケツをひっくり返したような大雨になった。


学生服はずぶ濡れ。

パンツまでグッショリ。


「誰だよ!

 ふざけたこと言ったのは!」

「てめぇだって頷いてたじゃねぇか!」


まぁ、天に唾吐くとはこう言う事ですね。



そう言えば、

その頃数学の担当だった先生。


名前は忘れました。

通称「仙人」


元気かなぁ、って、、未だ生きてるのかなぁ、、、


不思議な先生でした。


何でも聞くところによると、百人一首の達人で、

全日本の大会で準優勝くらいまで行った人らしいです。


小柄で飄々とした感じ。


で、授業では朗々と語るんですけど、

コレが、、、眠いんです。


って言うか、ほとんど起きていた記憶が無いくらい。


授業開始と共にスイッチオン。

終了と同時に起きる。、


あの語り口は魔法のようでした。


さらに、、、驚くべきはテストの時。


何せほとんど寝てるんですから、聞いているはずがない。

出来るはず無いんです。


だけど、、、

その先生の数学のテストでは、80点を割った事がない。

不思議と覚えてるんですよ。


何故か、、、


私自身は睡眠学習って思ってます。


そんな事あるかって?

嘘言ってるんじゃないかって?


コレに関しては、証人は何人か用意できます。

ホントなんだって、


まぁ、もっとも、、

こいつらに言わせると「波長のような物ナンじゃないか?」

って言ってましたね。

たまたま波長の合うヤツなんだろうと。


「確かにお前があの先生の授業で起きてたの見た事無いけど、

 俺は寝てたって、そんなの覚えてないぞ。

 お前がおかしいんだ。」

とは言われてました。


そう言えば、一度だけ起きた事があったな。

何か、妙な感じがして起きた。

あとで聞いたら、その先生が私の目の前に立って、

じぃ~っと暫く見ていたらしい。


突然に子守歌が止まってしまったんで起きたんでしょうね。


でも、私が顔を上げたときには、

その先生は教壇に戻るところ。

私が見たのは後ろ姿だけでした。


で、

歩きざまに一言。

「寝る子は育つ、、、か。

 羨ましいなぁ、」


仙人のような、数学の、、小柄な先生でした。