いやぁ、、、GWも最後になってやっと休みになったって言うのに、、、

雨。


如何に普段の行いが悪いか? 、、、って事っすかね。


まぁ、のんびりしてるかな?



さて、

事は私が未だ二十代前半だった頃。

ある晩、友人から電話が掛かってきた。

「おまえ、、、食うの早いじゃん?」

「まぁ、、、な。」

「でよ、誰かに負けた事ある?」


当時、彼は小さな法律事務所に勤めておりました。

アットホームな雰囲気のその事務所は、仕事が暇なときなどは、

事務所の先生が「今日は暇なので、みんなで昼食を取りましょうか?」

と、良く表に食べに行ったそうです。


そんなある日、彼は先生にこう言われました。

「君、食べるの早いよねぇ、いつ見ても気持ちいいくらいだよ。

 アレだな、、、多分、早さじゃ誰にも負けた事が無いんじゃ?」

しかし、彼はすかさずこう答えました。

「いや、、、あの、、、僕なんぞ、まだまだ遅い方ですよ。

 学生の頃からの友人連中の中では僕が一番遅いですからね。」

「えっ?そうなの? それは凄い話だなぁ、

 それじゃぁ、、、その中で一番早い人なら、

 きっと食べる早さじゃ誰にも負けた事が無いに違いないな。」


と、こんな話を説明してくれまして、

で、話は戻って、

「どうなんだ?」

「いや、、、あの、、、

 俺は自分でも確かに早いとは思うけど、

 俺の会社じゃ俺は一番じゃないんだぞ。

 、、、三番目くらいかな?」

「ナニ!? そ、そうなのか?」

「うん。ウチの(当時の)社長は早いぞぉ。

 何でも、ガキの頃から早かったらしいんだが、

 昔、新聞記者をやってた時期があって、その頃にさらに鍛え上げたらしいよ。」

「そうなのかぁ、、、」

彼は少し残念そうでした。


そして翌日。

事の真相を追求するべく、私は社長に聞きました。

「あの、、、」

「なんだ?」

「社長、食べるのはやいじゃないですか?」

「うん。まぁ、そうだな。」

「かくかくしかじか、、、な訳で聞きたいんっすけど、

 社長、今までで誰かに負けた事あります?」

社長、、、腕組みをしながら暫く考えて、、、

「ある。 一人だけ、絶対に勝てなかったヤツが居る。

 多分、今の俺よりもずっと早いだろう。」

「えっ!? そ、そうなんですか?」

いやぁ、、、私も正直驚きましたよ。


そして語り始めました。

北海道出身で、東京の大学に通い始めた頃の話。

大学の寮で、爆速の先輩が居たこと。

子供の頃から、無敵の早さを誇った青年時代の社長が、

幾度となく挑んで、結局ただの一度も勝てなかった事、、、


「いやぁ、、、東京って広いなって思ったよ。

 まぁ、俺の先輩だからな。今でも生きているのかどうかも知らないし、

 そもそも名前も忘れたし、、、な。」


まぁ、相手が分からない以上、追跡調査はココで打ちきりなんですけど、

当然この話は、夜になって友人に電話しました。

「昨日の話、驚くべき結果が待ってたぞ。」


いやぁ、彼も驚いてましたよ。

で、その彼も翌日、先生に報告したそうです。


腕組みをしながら彼の話に熱心に耳を傾けて、

話を聞き終わった先生は、彼の目を見据えてこう言ったそうです。

「世の中って広いなぁ、、、」


良く言われるこの言葉。

だけど、その背景にあった事実に思いをはせて、

私の友人はいたく感銘を受けたそうです。