モロッコの友人に「もうすぐ行くから」といつ言おうかと考えている。
旅先はモロッコに決定していて、3年ぶりの訪問に思いを馳せる。
3年前の3月、突如訪れてみた国。
サハラ砂漠へ行くには、モロッコが最適だ、っていう情報だけで選択した国。
イスラム圏なことや、歴史や、気候や、人種や交通も知らず、ただただ砂漠を所有する国として目指したモロッコ。

そのときあたしは、十代のそれはもう、プラトニックで感傷的で、小娘らしくどろんこどろんこした、7年間の片思いに破れたばかりで、
「あたしの神様があたしのこといらないってゆーんだったら、どーやって生きていけばいいのよぅ」
なんて思いを本気で抱え、To be or not to be~生きるべきか死ぬべきか~にゃんてハムレットのように考えた。
それはとても幼稚で傲慢であったととも思うし、同時にとても正しかったとも思う。
『一生一度の恋だもの、花の咲かないはずがない』ってゆー、石川さゆりさんの歌を歌いながら、じゅりあは「それほんとう?」と問いかけ、やがて王子に出会うんだけど、あたしの花は咲かなかったのね。

さあ、どうする?
さあさあ、どうする?

そりゃ必死で考えたわよ。
もくもくと、日常をこなしながら、いつもいつも、さあ、どうする?って。
それでね、思ったの。
これは、生きてても死んでても同じだって。
ものすごく不謹慎かもしれないけど、生きてるのってそんな大したこと無いって。
だって一番欲しいものは手に入らなかったんだもん。
生きてても、死んでても同じだよって。

だからね、だからね。
死ぬ気で生きてみようって思ったの。

今思えばすっげー、おおげさなんだけどね。
でも、あたしとかお嬢さん育ちで、実家から出たこと無くて、新幹線にも1人で乗ったこと無いし、そのくせ意見ばっかり主張して、ほんと愛玩犬みたいな生き物だったのね。
だからね『サハラ砂漠に1人で行く』なんて、あたしにとっては命がけみたいな気分だったのよ。
本気で。
でね、砂漠って水無いのかもしれない。男の人に見えるようにしていったほーがいいのかもしれない。
なんて考えで、伸ばしてた髪もばっさりショートにしたりして。
とにかくアレは、あたしにとっては命がけの旅のつもりだったの。

それでなんで、おめーは「砂漠砂漠」なんだよ!?
ってお話は次に書くとして


(男)  やっと逢えたね ああ 良かった さがしぬいたよ 東京を
(女)  逃げていたけど 心では みつけてくれるのを 待っていた
(男)  赤い運命(さだめ)の 糸がある
(女)  それを互いに たぐってた
(男女) 東京ふれ愛 めぐり愛


(女)  夢じゃないのね ああ 良かった 泣いていいのね 思い切り
(男)  おそくなったが しあわせは なんとか間にあった みたいだね
(女)  一生一度の 恋だもの
(男)  花の咲かない はずがない
(男女) 東京ふれ愛 めぐり愛

石川さゆりサマの『東京めぐり愛』
じゅりあがカラオケで熱唱してたけど。
とても、涙がでそうになりますね。
みつけてくれるのを 待っていた とかね。