こんばんは

『ユーカリ手帖』のブログにご訪問
ありがとうございます

ときどき手に取って読みたくなる
そんなお気に入りの本をご紹介

まずはこちら
角田光代著『彼女のこんだて帖』



全15話の連作短編小説集で

各話10ページで終わる読みやすさです


彼氏と別れてからつくったラムステーキや

母から息子の彼女に伝授されるかぼちゃの宝蒸しレシピ

食べる楽しさを忘れた妹と作る手作りピザなど


人と人とのつながりのなかには

必ず料理があり

作ること食べることで人が幸せを取り戻していく様子に

読んでいるこちらも元気をもらえます


各話完結の形のように見えますが

出てくる登場人物は

それぞれどこかでつながりがあって

たとえば第一話で出てきた女性と

第二話で出てくる女性が友達だったり

また次の話では親子だったり同僚だったり


そういうつながりを見つけるのもおもしろさのひとつ


こちらの作品を知ったのは

テレビドラマを見たことがきっかけでした

かなり前の放送だったのですが

出てくる料理がどれも美味しそうで

急いでレシピをメモ


なかでも「食べたい!」と思った料理が

「中華ちまき」でした

実際に作ったら意外と簡単で

家族からも好評

今でもときどき作る

得意料理のひとつになっています


その頃は介護で祖母のために作る料理が中心だったけど

自分が食べたいものを自分のために作るという楽しさを

はじめて感じた瞬間でした


ストーリーに登場するごはんのレシピは

巻末に写真付きで掲載されていますよ


どれも美味しそうで

登場人物の姿を思いながら作ると

まるで自分が主人公になったかのような気持ちも味わえます笑


次はこちら

三浦しをん著『舟を編む』



辞書編集部に引き抜かれた

馬締(まじめ)光也と編集部員たちが

新しい辞書づくりに挑む物語


現在NHKでドラマが放送されています



辞書を作るのには

気が遠くなるほどの長い年月と地道な作業が必要となります


校正の仕事に出会う前に

同作品の映画を見たのですが

おもしろそう〜私もこういう仕事してみたいなぁ〜!と

思ったのを覚えています


まさかそれから数年後に

「校正」という仕事に出会い

辞書作りとまではいかなくても

同じように文字と向き合うことになるとは

夢にも思いませんでした


主人公・馬締光也の不器用な恋愛模様や

あまり知られていない辞書作りの現場も

読みごたえがあって

登場人物たちの熱い思いを

応援したくなるような物語です


巻末には馬締光也の恋文(超長文w)が

全文掲載されています笑

おもしろいですよ〜


最後はこちら

一田憲子著『大人になってやめたこと』



企画から編集執筆まで手がける一田憲子さんが

実際の暮らしの中でやめていったことを

一つずつ紹介されています


たとえば

欠点を無理して直すのをやめる

明日でいいことは今日しない

おかずを1品作るのをやめる

リネン生活をやめる

などなど


これもやめていいんだ〜とか

そう思っていたのは私だけじゃないんだなぁ〜とか

読んでいて肩の力がスッと抜けるようなことばかり

生きることが完璧じゃなくても

大丈夫と思えるものでした


また

冒頭で一田さんはこう書かれています


色々なことをやめるたびに、どんどん身軽になりました。私にとって、何かを「やめる」ことは、自分に嘘をつかないことでした。それは、私が私を生きるための人生後半の、大掃除だった気がします。(「はじめに」より)


一田さんは「ライター塾」という

ライティングのオンライン講座もやられています


2年前に奇跡的に申し込むことができ

受講したのですが

2日連続で計16時間にも及ぶ

なかなかのハードなものでした


そのときのボロボロになった様子が書かれています笑↓



でもそこでの経験は

その後の自分に非常に大きな影響を与えてくれて

めちゃくちゃしんどかったけど笑

勇気を出して申し込んでよかったと

心から思います


書くことは簡単ではないけれど

素直な気持ちを大切に

等身大の自分で

丁寧な自己表現をしたい

そう思います


人生に変化が起きるのは

こうした小さな出会いからかもしれません


それは人との出会いだけではなく

一冊の本が

きっかけになることも


私にとってはそんな出会いともいえる

お気に入りの本の紹介でした飛び出すハート