自家製の満月バターと星のシロップをかけた『満月バターのホットケーキ』日の出前、日の入り後の薄明るい空をぎゅっと閉じ込めた『薄明ラムネ』など、星や天気を喫茶メニューに絡めたガチャガチャをキッカケに急激にハマった『満月珈琲店』。この作品たちの根底にあるテーマを知っておくべく原作的な本を購入した。
満月珈琲店は失恋やリストラ、大切なひととの死別など人生で疲れたひとのところに現れるコーヒースタンド。メニューはマスターがお客様に合わせたものを提供する。
コーヒーの飲める大人に憧れる少女には甘いホットケーキとミルクティー、30半ばでリストラで実家に帰るサラリーマンには添えるもので食事にもスイーツにもなるクロワッサンプレート。そして夫を亡くした夫人に提供される“あの日”飲めなかったコーヒー。
物語に登場するひとたちは挫折や喪失を抱え切なく、ほろ苦い。一見キラキラ眩しいひと皿は迷い疲れたひとを癒し明日へのヒントをくれるもの。
そんな架空のお店、満月珈琲店をミニチュアやグラスで自宅で月夜の喫茶時間を味わうことができる。現在の自分が惹かれた理由がわかった気がした。そして自分の過去を思い返して3回は満月珈琲店行けているなと思ったり。
いつか新月の日、マスターが淹れたオリジナル月光ブレンドを飲む日まで、満月珈琲店の世界を楽しみたい。