朗読×和楽器『天守物語』15日公演配信初見後の声優・佐藤拓也スキーによる超長過ぎる雑なあらすじ&感想になります。
最初はたくさんのイベントや舞台のひとつという認識だったのだが、ツイッターに流れてくるイメージ写真やコメント動画を見ているうち、
「ガイアが私に配信チケットを買え」と囁いたので購入。
朗読劇だけれど“役者・佐藤拓也”をしっかり観ることが出来た公演だった。
人ならざる姫と清廉で美丈夫な武士との稲妻のように突然始まる恋。
和楽器の音色が時に細やかに時に激しく物語を美しく彩り盛り上げていたのでヘッドホン推奨。
無邪気で怪しい天守での姫たちの遊びが引き寄せたある青年との出会い。
そして始まる千年に一度の恋──
ある秋の日、近づいてはならないと言われている天守に住む富姫(篠井さん)を訪ねて来る友人の亀姫。
亀姫は図書之助役の佐藤さんが2役演じているのだが、
富姫を姉と慕い、外界でやかましい殿様の生首(リアルな生首がステージに鎮座でビビる)をおみやげにもってくる彼女も人ならざるものなんだろうな。
女物の着物を羽織っただけの姿なのに、無邪気でしっとりした色気と上品な微笑み、仕草や歩く姿も姫、めっちゃ姫。
正直佐藤さんがここまで女性を演じられるとは思っていなかった。
普段も笑顔が印象的な佐藤さんだけれど亀姫の笑顔は匂い立つ大人の女性のそれだった。
亀姫のおみやげにと飛んできた鷹を捕らえた富姫のもとへ天守へとやってきた勇気ある武士図書之助(ずしょのすけ)。
何故この呪われた天守へ来たのかと問ううちに、いつも天守から見下ろしている愚かな人間とは違い、
清廉で勇気がありそしてイケメン(美丈夫ってそういう意味だっけか?笑)な図書之助を帰したくなくなった富姫。
「どうせ戻っても切腹させられるし、鷹逃した罪なすりつけられるし、その鷹とったの自分だし、ここでずっといましょうよ」とまっこと美しい富姫に言われるも、
忠義と人の世への未練を捨てきれぬ弱さを自覚し天守を降りる心意気にさらにぞっこんLOVEになる富姫。
しかしその時おみやげに持たせた兜のせいで盗人だとさらに罪人扱いされ命からがら再び天守へ戻ってくる図書之助。
どうせ死ぬ身、人間に殺されるくらいなら富姫の手で、と願う図書之助。
自分一人生き残っても仕方が無いから自分の口で図書之助の舌を噛み切って、図書之助に私の胸を刺してくれと願う富姫。
千年に一度の恋、沸点まで上がるの早いな!それだけ富姫が魅力的なんだろうなあ。あやかしの持つ魅力なのかな。
そして追手によりふたりとも目を潰されてしまい「もう一度だけ、ひとめだけでもあなたの顔が見たい」とお互いに請い願う。
目が見えなくなってしまったと告げる時に図書之助、佐藤さんが泣いていた。
もう富姫の顔を、好きなひとの姿を見ることが出来ない絶望をあの短時間(約一時間弱)で感情を作るというか、
図書之助という男を演じられる佐藤さんを当たり前なんだけれど役者なんだなと思い知った。
ここでふたり心中して悲恋で終わるのかなと思ったら、突然老人の声が、
「そこの天守の獅子頭を彫った彫師だけどふたりの願いかなえてしんぜよう」
とかなんとかでなんとふたりの目はもとどおりに!
そして再びお互いの顔を見ることができ、ふたりは仲睦まじく天守で寄り添うのでした。
~HAPPY END~
アフタートークで篠井さんも言ってましたが、急展開が過ぎるYO!!
まさに冒頭の稲妻のように雷に打たれたように強烈かつ一瞬で落ちてしまう命さえ捧げても構わない、
それが千年に一度の恋なのか、と無理やり自分の中でこじつけてみたり。
原作泉鏡花ということで難解な言葉も多いけれど、朗読で台詞として声色や動きで感情を表現し、
音楽や舞台演出により世界観が物語が進むごとに少しずつ分かってきて、
「人ならざるあやかしと人間の恋」の物語として楽しめたので良かった。
あやかしならあの超展開ハッピーエンドも納得がいくものです(笑)
古文とか難しい、原作未読、原作読んだけれどわからなかったよ……という方にこれを観てみては?と勧められる舞台、
そして佐藤拓也という役者の魅力を味わえる秋にぴったりの舞台だった。
アーカイヴ視聴期限も伸びたので秋にびったりの朗読劇をゆっくり何度も堪能しよう。
ここまで読んでくださった方、文章とっちらかっている上に長くてすみませんでした(寝下座)