日々の仕事や勉強に追われていると、「あれもやらなやきゃ、これもやらなきゃ……」とあちこちに手を広げてしまいがちです。こういう生活の中でありがちなのが、「あれもこれも上手くなろう!」と考えることです。しかし、何でもかんでも習得しようとすると全てが中途半端になり、結局何も強みが無い人になってしまいます。
●専門特化したサイトが成功している!
近年Webの世界では、「コンテンツマーケティング」の手法が注目されています。コンテンツマーケティングとは、有益なコンテンツ(情報や記事)を提供するサイトを通して、ターゲットとなる読者を購買行動へと導こうという手法です。
たとえば、パソコンの販売サイトを考えてみましょう。従来のサイトは、「パソコンを買ってください!」と宣伝していました。しかし、これではなかなかパソコンを買ってもらえません。そこで、コンテンツマーケティングの登場です。パソコンの選び方や使い方、楽しみ方など、訪問者が満足できる情報をサイト内で提供します。訪問者は自然と「パソコンが欲しい」と思い、実際にそのサイトからパソコンを購入するという仕組みです。
このようなコンテンツマーケティングで重要なのは専門性です。パソコンの販売サイトであれば、他の家電製品の情報も詰め込むのはNGです。あくまでもパソコンの情報だけを詳しく掘り下げることが求められます。その方がサイトに対する信頼性が強まり、訪問者数も増加するからです。Webの世界では、専門特化したサイトが成功しているのです。
●ジェネラリストからスペシャリストへ
Webの世界にとどまらず、ビジネスの世界でも専門特化したスペシャリスト(エキスパート)の重要性が説かれるようになりました。
かつては、何でもこなせるジェネラリストが重宝がられました。しかし、転職が珍しくない昨今、中途半端に何でもできる人よりも、「専門分野では誰にも負けない!」と自負する人を企業は欲しています。専門性が高い人が即戦力となって企業に大きな利益をもたらすことが期待されています。
●専門特化で仕事も勉強も上手くいく!
以上を踏まえると、特定の分野に精通したスペシャリストを目指した方が有利なのは明らかでしょう。それ以外にも、仕事や勉強における専門特化にはメリットがあります。
たとえば、プログラミングを勉強するとしましょう。初学者向けの参考書では、税込み価格を計算させる処理や素数を求めさせる処理が登場します。これらの処理を理解するためには、割合計算や素数の知識など、数学が必要となります。また、疑問を調べるためにネット検索していたら英語のサイトに辿り着くことがあります。このサイトを読解するには、ある程度の英語力も必要でしょう。
プログラミングを極めようと思えば、プログラム言語の周辺にも自然と目が行くようになり、それらを勉強せざるを得なくなるのです。目的もなく数学や英語を勉強するのは苦痛です。しかし、「プログラミングを極めたい!」と思えば、必要となる数学や英語の勉強もそれほど苦ではなくなります。必要に迫られている以上、「嫌だ」とも言っていられないでしょうし……
逆説的ですが、専門特化していく過程で、専門以外にも理解や関心が広がっていくのです。「あれもこれも……」と何でも手を出すのではなく、まずは一つのことにじっくり取り組んでみましょう。そうすれば、人も知識も集まってきて、仕事や勉強が楽しくなるはずです。