しばしば話題になるかけ算の順序。
次のような問題で立式する場合、
1は○で2は×とするのはどうか、というお話
【問題】
6人のこどもに、1人4こずつみかんをあたえたい。
みかんはいくつあればよいでしょうか。
【立式例1】 4 × 6 = 24
【立式例2】 6 × 4 = 24
僕の立場からすれば、
どっちでもいい気がするのですが、
皆さんはどう思われますか?
以上は文章題の立式のお話でしたが、
似たような問題として公式の覚え方があります
たとえば三角形の面積公式
ほとんどの教科書には、
次の公式が載っていることでしょう。
(三角形の面積)=(底辺)×(高さ)÷2
この公式を、次のように覚えるのはどうでしょう?
(三角形の面積)=(高さ)×(底辺)÷2
これが上の公式とイコールだと分かった上で
(底辺)と(高さ)を入れ替えたなら別に構いません。
ただ、三角形の面積公式を初めて習う生徒が
下の形で公式を覚えるのは危険だと思います
(底辺)と(高さ)を入れ替えた公式を覚えた生徒は、
その後の勉強で混乱をきたす可能性があるからです
多くの授業では、
三角形の面積公式といえば上の形を用います。
また、参考書類も上の公式を使って解説されます。
そのため、下の形で公式を覚えた生徒は、
先生の話を聞いたり参考書を見たりするたびに
頭の中に???が浮かぶ場合があるんですね~
大人の眼から見れば、
上の式も下の式も同じ三角形の面積公式
一方、子どもからすると、
ただ順序を入れ替えただけなのに
全くの別物に見えるなんてこともあります
だから、子どもに公式を覚えさせる場合は、
「教科書に書いてある通りに覚えなさい!」
と口を酸っぱくして言います。
同様のことは、
他の公式や用語に関しても言えます。
例えば、速さの公式。
「道のり」という言葉を使うのか、
「距離」という言葉を使うのか?
どちらでも同じですが、
やはり教科書通りに覚えさせます。
無駄な混乱を避けたいからですね~
用語の説明に関しても、
生徒が理解しやすいかどうかよりも、
教科書にどう書いてあるかを優先します
生徒が分かりやすいようにとの配慮から、
教科書とは別の言葉で教える指導者もいます。
でも、このような教え方は基本的にNGだと考えます
繰り返しますが、
参考書類の解説の多くは
教科書の説明に基づいて作られます。
当然、実際の入試問題も、
教科書の記述に基づいて作られます。
用語を変な言葉で覚えた生徒は、
入試本番で混乱してしまう可能性があります
何でもかんでも教科書に準拠すると
生徒にとってハードルが高くなるのは確かです
とはいえ、
最終的な理解の方向性としては
やはり教科書準拠でなければなりません。
最初に変な教え方をしておいて、
「以前『●●』と教えた言葉は、実は『▲▲』なんだよ」
と後々訂正することが、
生徒にとって本当に分かりやすいのでしょうか?
もちろん、
ある程度理解力のある生徒相手であれば、
必ずしも教科書準拠でなくともいいと思います。
要は、ケースバイケースってことなんですね!