「問題を感覚で解きなさい!」は生徒の勉強嫌いを助長する | 江東区の家庭教師&ライターのみみずく~半蔵門線・大江戸線沿線及びオンラインで指導中~

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「問題を感覚で解きなさい!」


塾や家庭教師の中には、

このようなことを平然と言い放つ人がいます。

SP塾勤務時代、そういう講師を何人も見てきました。


「感覚」は、「直感」「フィーリング」などに置き換えても同じです。

要は、「理屈抜きで何となく解きなさい!」ってことです。


さすがに、理屈を重視する算数・数学や

知識問題の多い理科・社会で冒頭のセリフを言う人は少ないです。

でも、国語や英語になると、何故か「感覚」が幅を利かせてきますガーン


例えば、↓の問題について、生徒が質問したとします。


【問題】( )に適切なbe動詞を入れなさい。

      She ( ) a student last year.


これに対して

「感覚で "was" を入れなさい!」

と指導者(?)が答えたとして、

質問してきた生徒は一体何を得られるんでしょうかね?


ネイティブ並みの英語力を持っている生徒なら、

「先生の言う通りだなぁ~」って納得するでしょう(笑)

でも、そういう生徒は、そもそも【問題】ごときで質問しないですよね?


つまり、感覚で解けなくて困り果てているからこそ、

生徒は質問に来るわけですむっ

そういう生徒に対して、「感覚で解きなさい!」では何の回答にもなっていません。


しかも、「感覚で解きなさい!」と言われた生徒は、更に頭を抱えます。


「自分は感覚で問題を解くことができない。

 自分にはきっと能力(才能)がないんだガーン


そりゃそうですよね~


たかがbe動詞一つ入れるだけなのに

ネイティブ並みの能力や天賦の才を求められては

「自分はダメだガーンと思ってしまいますよ、誰だって。


こういうちょっとしたところから、

生徒の勉強嫌いは加速していきます!!叫び


国語でも英語でも「感覚」に頼る必要は一切ありません。

学校のお勉強レベルで求められるのは、あくまでも知識と理屈です!

知識と理屈は、訓練によって誰でも習得できます!!


※以下、「理屈」に絞って説明していきます。


さて、ここで問題となるのは、一部の指導者(?)が

「問題を感覚で解きなさい!」と言うのは何故か?ってこと。

考えられる理由としては、次のものがありそうです。


1.指導者自身が感覚で完璧に問題を解けるため、

  「理屈で解く」ということをそもそも知らない。

2.指導者の学力が不足していて理屈を説明できないため、

  「感覚で解きなさい!」と言って誤魔化している。

3.「ここで文法用語を持ち出すと分かりにくいだろうな」という配慮から、

  指導者が敢えて理屈抜きで説明(?)している。


1は、学力の高い人に多いです。


「読書大好き!作文大好き!国語はいつも満点!!」

「小さい頃から英語圏で育ったバイリンガルです!!」

こういう人たちは、「何となく問題を解ける」ので、

自分自身の思考回路を絶対視してしまうんですね。


別に、こういう人たちの思考を否定するわけではありません。

ただ、それを生徒にそのまま押し付けたところで、

生徒にとって???の状態は解消されません叫び


「自分が何となく問題を解けるのは何故?」と
自分自身の思考回路を分析することから始めて、

そこから抽出した理屈を生徒に伝えるべきですね。


2は、学力の低い人に多いです。


学力の低い人は、

そもそも教科の指導をしてはいけません!プンプン


でも、質の低い大手塾だと、こういう人が教壇に立つことも……

せめて彼らがしっかり予習してくれればいいんですが……(*´Д`)=з


まあ、もはや仕方ないですよね、塾業界は(笑)


3は、一見正しい指導法のようですが、

僕から言わせてもらえば最悪です!!プンプン


理屈抜きで生徒に問題を解かせるのは、

生徒にとって最も無駄で無意味なことです!


そんなことをいくら繰り返したところで、

生徒の学力は絶対に向上しませんし、

生徒に「感覚で問題を解けるんだ」という誤解を植え付けます。


そして、そんな好い加減な理解しかしていない生徒は、

高校の勉強で必ず潰れます!!叫び


だからこそ、多少ハードルが高くとも

解法や文法などの理屈を生徒にしっかり習得させるべきです。


特に、高校受験までしか面倒を見ない指導者の中には、

「高校に受かればそれで良いんだ!」

「生徒が満足するのが良い授業だ!」

と言って理屈抜きの指導ばかりしている人もいます。


そういう好い加減な指導(?)を止めてくれませんか?


結局、高校生を指導する人たちが

その尻拭いをさせられるわけですから……プンプン



以上、「問題を感覚で解きなさい!」という指導者(?)の問題点を見てきました。


ただ、勘違いしないでほしいのは

「感覚=イメージ」ではないということです。


たとえば、仮定法を考える上で、

頭の中に時間軸を思い描いて時制のズレを把握したり、

いくつもの前置詞を絵として理解したりするのは、感覚ではなく理屈です。


イメージを利用した理解は、むしろオススメです!!


僕がいう「感覚」は、何の根拠もない思い付きのことです。

そういう「感覚」を排除した指導が大切だよ、と言いたいわけです。


指導者の皆さんの参考になれば幸いですニコニコ